『…あれから18年たった今でも解決すること
はなく___』
そう、ニュースの音が流れる。
「また、やってるね。この事件のニュース。」
そう話すのは僕の姉さん。
子供を抱え、「怖いね〜」なんて言っている。
そう。この事件は発生して18年という
長い時間を流れてもなお、解決への一歩を
踏み込んでいない。
発生日はちょうど僕が産まれた日。時間である。
全く、縁起のいいものでは無いだろう。
「てか秋斗。学校は?」
親子揃ってコテンと首を傾げる。
「まだ大丈夫。」
そう言い机の上に用意した食パンに口をつける。
「…おはよぉ〜……。」
そう言って出てくるこの人は姉さんの旦那さん。
今は色々あって同居している。
「おはよう。笑…寝癖凄いよ?笑」
「んぅ……。」
まだ半分寝ているのか、返事が遅い。
「秋斗〜!!服って何処にある〜?」
「…母さん。そのまま出てくるのは……。」
そう言って「向こうにあるよ」と指をさす。
僕は家政婦か何かなのだろうか。
「……じゃ。学校行ってくる。」
そう挨拶をして玄関に向かおうとした。
「あぁ!!ちょっと待って!!」
母さんが僕を呼び止めた。
「…?何?何かまだある?」
そういえばご飯を用意していない。
「ご飯なら姉さんに……」
「違う違う!!はい!!これ…」
そう手渡ししてきたのは防犯ブザー。
……ん?え?どういうこと?
理解が追いつかないと言わんばかりに
防犯ブザーと母さんを交互に見る。
「最近ずっとニュースで言ってるでしょ?」
何をそんなに不思議そうにしているんだ。
そう言いたげな顔をしている。
「幾ら18年前だからって犯人特定されて無いし」
…なるほど。それで防犯ブザー。
「……小学生だと思ってる?」
身長は確かに低いが、一応高校生である。
「いーからいーから!!持って行って!!」
そう言われ、渋々持って行くことにした。
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