「バルバトス様…」
今日も西風教会から僕を呼ぶ声が聞こえる
まぁ、それに僕が答えることはないけれど
パイモン「あそこにいるのは…吟遊野郎じゃないか!? 」
その名前で僕を呼ぶのは栄誉騎士の相棒と、火花騎士の少女しかいない。
この声には答えてあげよう
ウェンティ「旅人達がモンドに来るなんて、久しぶりだね!」
旅人「久しぶり、ウェンティ」
ウェンティ「また僕の詩を聞きたくなっちゃった?」
パイモン「いや、オイラたちは久しぶりにモンドに戻ってこようと思ったんだ。」
パイモン「いろいろあったし、いろんな国にいったけど、オイラはやっぱモンドのこの感じが一番落ち着くんだよな~」
ウェンティ「モンドの風は暖かいからね」
ウェンティ「かの旅人とその相棒も、一度里帰りって感じかな?」
パイモン「おう!」
旅人「モンドの風災が終わったあと話したこと、覚えてる?」
話したこと…。トワリンの涙のことか、それともお酒が無料だった話しか…?
いや、
ウェンティ「君を僕の詩に乗せたいって話しかい?」
パイモン「そういやそんな話しもしてたよな。懐かしいぜ!」
旅人「話したいことが沢山あるんだ。」
旅人「吟遊詩人として、そして、風神として。」
ウェンティ「…いいよ、ただし、」
パイモン「なんだ?」
ウェンティ「話してるときに飲むモラは君が払ってね!」
さすがに怒られちゃうかな?
パイモン「おい!やっぱりどこの国の神もモラは持ってないのか!?」
ウェンティ「どこの国も?」
ウェンティ「あの爺さんだけじゃないのかい?」
パイモン「そうだ!雷電なんか、モラが必要ってことも知らなかったんだぞ?」
雷神といえば、最近鎖国を解除したんだっけ。稲妻のお酒も飲めるかな…
そんな他愛のない話をしながら、僕らはエンジェルズ・シェアに入っていった。
勿論旅人の奢りで。
旅人「何から話したらいいかな…… 」
そう悩みながら旅人は一つ、また一つと話し始めた。
離月の魔神オセルの話。
稲妻の目狩り令や、雷神と戦った話。
スメールでの草神救出計画の話。
ただ、スメールでの内容は何故か記憶があやふやなようだったが、旅人は何かを隠すような物言いをしていた。
フォンテーヌでの水神の裁判の話。
そして、これから行くナタの話。
パイモン「まだまだ話し足りないけど、こんな感じだな!」
旅人「本当にいろんなことがあった。」
ウェンティ「他にもあるんでしょ?君の話、僕にまとめられるかな?」
いつの間にか時計は大きく動いていて、相当話していたことがわかる。
こんなに話したのは爺さんと話したときぶりかな?
ウェンティ「ナタの次、君が行くのはスネージナヤかい?」
自由の国モンド、契約の国離月、永遠の国稲妻、知恵の国スメール、正義の国フォンテーヌ、戦争の国ナタ。
ナタといえば昔あった騎士のことをよく思い出す。
残る国は神に愛されない国スネージナヤ。
ファデュイたちの本拠地となっている場所だ。
旅人「それはわからない。」
ウェンティ「えっ?」
旅人から出た言葉は想像と違った。
旅人「何処に居るのかは見当がついた。」
旅人の目的は、妹/兄を見つけて、また二人で旅をすること。
そのためにどの国を行こうと、この目標は揺るがないのだ。
パイモン「えっ!?それってどこなんだ!?」
旅人「それはまだ言えないかな?」
もう彼/彼女は気づいてしまった。
旅人「でもまだ確証はない。」
ウェンティ「なるほど…ね」
パイモン「おい!二人してオイラをおいてくなよ! 」
パイモン「それにオイラがわからないのに吟遊野郎が分かるなんて…!」
ふわふわ途中を浮きながらパイモンは考え始めた。
前飛ぶのもつかれると言っていたのに。
旅人「旅の終着点は蛍/お兄ちゃんとがいいから」
その瞬間、旅人がぶれて見えた。
いや、ぶれていたのではない。二人に見えたのだ。空と蛍の。
ウェンティ「ときが立つのは早いね。」
ウェンティ「早めに詩は書いておくよ。」
二人がテイワットに来たところから構成を練らないと。
ただ、酒のせいか頭がよく回らない。
このまま寝てしまおう…。
結局モラを払うのは旅人なんだから