ふとした瞬間を物語に

想い人

自由少女

肩が重い。空は晴れていて、ほとんどの人は気分が良いかもしれないが私は違う。

学校には敵こそいないが、味方もいない。私はただの生徒になってしまった。孤立はしていない。沢山の人に囲まれてもいない。皆優しい。だからこそ居心地はあまり良くない。今のところ誰にも嫌われてない。教室で一人になることがない。時間も前より少なくなった。私のもう一つの居場所がなくなってしまった。

私は今、会いたい人がいる。もう簡単に会うことは出来なくなってしまった。それでも私の心は「会いたい」と叫んでいる。君は私に一番優しくしてくれた人だから。普通の人とは少し違う私を「そういう人もいるよね」と肯定してくれた人。あなたの優しい声が、笑顔が、いつまでも心に残るよう。

　今の私を見たら、笑って受け止めてくれるでしょうか。

　君に会いたい、君の名前を呼ばせて。もう一度……