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「え、マジで泊まってくの?」
「うん、泊まってってよ〜って△△も言ってるし!」
ママの軽い口調に、隣で△△が「ねぇ〜ふみやくん、ねんねいっしょしよ?」と手を引いてる。
「いや、嬉しいけど…マジで?ほんとに?」
「ほんとほんと。っていうか、前にみんなで川の字で寝たとき、“ふみやくんも一緒がよかったなぁ”って△△が言ってたの」
「……うわ、それ…ズルくない?」
「でしょ〜?」
嬉しさと照れが溢れて、ふみやが口元を隠すみたいに手で頬をこする。
すでに敷かれた布団は、4人分。
「よし、順番はどうする〜?」
「△△はパパのとなり!」
「じゃあ、こうだね。パパ、娘、ふみや、ママ、で!」
「え、俺ここ?マジで?」
自分の寝る場所を確認したふみや、あたふたとしながらもちゃんと布団に腰を下ろす。
「ちょっと…俺ここでいいの?なんか、家族の真ん中にお邪魔してる感すごいんだけど……」
「なに言ってんの。ふみやも家族だよ」
ママがさらっと言って、ふみやが目をまんまるにする。
「……ママ、反則だってそれ」
「ふふ。じゃ、もう一回言ってあげよっか?」
「……やだ、もう、ほんとやだ、でも……ありがと」
ふみやが小さく笑って、ゴロンと横になる。
隣の△△がふみやの方を向いて、小さく手を伸ばしてきた。
「ふみやくん、おてて」
「……えっ、いいの?」
「……えへへ」
「あぁ〜〜〜〜〜無理、尊……っ」
ふみやがぎゅっと手を握って、天井を見ながら息を吐く。
隣で見てた颯斗とママも、思わずくすっと笑って、
「もう、4人で固まって寝ちゃう?」
「いいじゃん、そっちのが落ち着くし」
「よっしゃ、川の字というか、くっつき寝しよ!」
自然と4人の距離がぎゅっと縮まって、
ぴったりくっついたまま、お布団の中。
「……なんか、こういうの…いいね」
「……なぁに、今さら」
「ほんと、家族増えた感じするよね」
「うん。……ありがと」
ふみやが小さく囁いた声に、誰もが胸がきゅうっとなる。
夜はしんと静かで、でもその真ん中には、ぬくもりがあって、笑顔があって。
ただ「おやすみ」が優しいだけで、心が満たされる。
「おやすみ……ふみやくん……」
「……うん、おやすみ」
その声に、ふみやがそっと笑って、子供の髪を撫でながら、
自分の心に溢れるあったかさを噛みしめていた。