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The hourglass doesn't stop〜時計の贈り物〜

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The hourglass doesn't stop〜時計の贈り物〜

4 - 第4話 「mischief」〜イタズラ〜

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2022年09月12日

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袋から出した物は……..



浴衣



だった


瑞薫(ほら、明日と明後日花火大会でしょ?

ちょうどいいタイミングかなって


横浜スパークリングトワイライト

「海」と「港」に親しむ場を作りたいという思いから開催された花火大会

3000発の花火が楽しめるとても大きな花火大会

瑞薫はこのタイミングを図って、横浜に戻って来たのだ

https://sp.jorudan.co.jp/hanabi/tag/%E6%A8%AA%E6%B5%9C%E3%81%AE%E8%8A%B1%E7%81%AB/(横浜市で行われる花火大会-ジョルダンの季節特集)

から参照


蛍光灯の光に当てられて、簪がきらきら光っている

でも彼らは、その倍以上の光を瞳に宿して、浴衣を眺めていた


瑞薫(流石京都って感じ

布地がしっかりしていて解れないし、厚っこそうだけど案外涼しい

花火大会にピッタリだなって


国木田(まるで仕込んだかの様な言い方ですね


瑞薫(当たり前でしょ

この為に態々、後1週間もかかる仕事を3ヶ月で終わらせてきたんだから

それに、皆んなに合う柄をオーダーメイドしたし


ちょっとだけ強気で言ってみた

3ヶ月、確かに花火大会の為に早く仕事を終わらしたけど、もう1つ理由がある

皆んなに、会いたかったからだ

瑞薫にとっては恥ずかしいことで、口に出して言うのはちょっと躊躇ってしまう

でも彼女にはイタズラ心がある

躊躇った後で彼女はこう思った

「あんまり照れたりしない私が赤面で言ったら、皆んなどんな反応をするんだろう?」


瑞薫(ぁ……あと、み、皆んなに….ぁ..会いたかったか….ら


皆んなポカーンとした顔をしている

面白すぎて、今にも笑ってしまいそうだ

だから私は、唇を噛んで笑いを堪えていた

血の味がする

笑わないようにと考えるだけで精一杯だった私は、演技をすることを忘れていた


約10秒間の沈黙を破ったのは乱歩さんだった


乱歩(瑞薫

笑みが溢れてきてるよ


乱歩さんのその言葉の後、瑞薫は声を出して笑った

______________________

笑い死ぬんじゃないかと思ってしまう程、笑い続けたあと、「皆んなの呆けた顔、めっちゃ面白かった」と笑顔で言った


瑞薫(騙してごめんね

皆んなの反応が見たくって

会いたかったっていうのは、嘘じゃないから


そう慌てて取り繕う彼女は心の中で、言わなきゃ良かったと後悔をしていた

笑いの絶えない探偵社

それでも夜は、しんみりとした空気が、部屋中を纏っている

その日の夜


瑞薫(夜闇はなんだか私と似ている気がする


出窓からカーテンをめくって、月に照らされる下町を眺めていた

朝になるまで行き場がなくて、ずっと彷徨い続ける。

目印は月だけ

その月は、私にとっては異能力のようだ


瑞薫(………どうしても、思い出せないなぁ


謎だらけな彼女は、もっと謎に包まれた、「過去」を探っていた

異能でも見つけることが出来ない

時の狭間に置いていかれた、1つの記憶

その記憶を見つけることが出来るのだろうか?


〜I’m sure you can find it〜


「きっと見つけられますよ」


突如聞こえたその声に、少しだけ救われた気がした








主(だんだん、瑞薫ちゃんの秘密が明らかになってきましたね

𝕟𝕖𝕩𝕥➯➱➩「That suits」

お楽しみに〜

The hourglass doesn't stop〜時計の贈り物〜

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