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青井とつぼ浦は同じ警察官だが仕事中顔を合わせる事はあまり多くない。2人とも仕事は仕事で切り替えている…はずだった。
「つぼ浦ーどこ行くの?フリーカ?俺も行こー!」
「俺も今日はつぼ浦ザライオットに乗って大型行くか!」
「一緒にチルしようぜつぼ浦ー!」
今日はやけに青井がつぼ浦に絡んでいる。青井がつぼ浦を溺愛しているのは他署員も勘づいていたが、公私混同せず仕事はしっかりこなすタイプの青井がここまでベッタリなのは初めてだ。
「あれ?つぼ浦どこ行った?おーいつぼ浦ー!」
「アーマー取りに行ってただけすよ。つか今日アオセンどうしたんすか。」
「え?何が?」
「何でずっと俺に着いて来るんすか。」
「いやほらあれだよ、つぼ浦くんが優秀だからその仕事っぷりを見せてもらおうと。ダメなの?」
「ダメではないけど…いやダメだろ!ちゃんと仕事しろ!…あ、『つぼ浦店舗強盗向かいます』」
「『らだおも行きまーす』」
「いやアオセンは来なくて良いって!大型待してろ!」
「えーなんでよ、良いじゃんたまには。ほら早く行かないと犯人逃げるぞ!」
つぼ浦が車に乗れば青井も乗り、青井がヘリに乗ればつぼ浦も乗らないと駄々をこねる。青井のデレ期(?)は退勤してからも続いた。
「お疲れつぼ浦、ほらここ座って。」
「お、おぉ…本当今日アオセンどうしたんすか。」
「んー?別にどうもしてないけど?」
「…俺なんかした?怒ってる?なんか悩みとかある?」
「俺がつぼ浦に怒る訳ないだろ。別に悩みも無いよ。ハグして良い?」
「良いけど…」
「やった!つぼ浦ー大好き♡つぼ浦は?」
「俺もっすよ…なんか悪いモンでも食ったか?」
テレビを見てても本を読んでてもスマホを弄っててもずっとくっついて甘えてくる。トイレにまでついて来ようとしてきたのは流石に止めた。
「もうこんな時間か、そろそろ帰るっすわ。」
「えっもう帰るの?もうちょっと一緒にいようよ。小腹空かない?風呂入ってく?てか泊まってけば良いじゃん!」
「いや家でやる事色々あるから…まぁ風呂だけ借りてくか。」
押しに負けたのと青井の珍しい姿をもう少し見たかった。シャワーを浴びながら今日の様子の可笑しい青井について考える。
「アオセンも可愛いとこあんだな…あれなのか、普段からもっとああいう風にしたいって事なのか…?今は足りてないのか…?」
「風呂どもっす、アオセンもどーぞ。」
「おかえり!じゃ俺も入ってくるか、その間に帰んなよ!」
「うーす。…やっぱり変だよな、どうしちまったんだ。これからずっとああなのか?とりあえず明日もあんなんだったら休ませるか…」
ずっとあの調子だと自分はともかく、他の警察皆が困ってしまう。貴重で優秀なヘリ要員がまともに仕事しなくなってしまうのは問題だ。
「上がったよーただいまつぼ浦、寂しかった?」
「おーアオセ…ん!?」
座ってスマホを見ていたつぼ浦に後ろから抱きついてきた。
「何見てるの?ツイックス?」
「ちょっと急には心臓に悪いぜ…」
「ごめんごめん、つぼ浦と離れてるのが寂しくてさ。…この写真オモロw…あ、猫カフェ新商品だって。」
「お、まるん新しい車買ってる。今度乗せてもらおうぜ。」
「…はぁつぼ浦の背中安心するなぁ…匂いも好き…♡」
「匂いって…アオセンついに変態になっちまったのか…あれ?アオセン?」
急に電池が切れたかのように寝てしまった。呼び掛けても全く起きる気配が無いので抱き抱えてベッドまで運ぶ。
「はぁ…なんだったんだ?…おやすみ。」
こっそり額にキスをして起こさないよう静かに家を出た。
「…最近そんな一緒に過ごせてなかったとはいえ、なんで昨日はあんな事したんだ…仕事中ですら我慢できなくなるなんて…情けねぇ…」
昨日の自分を思い出して落胆する。穴があったら入りたい気分だ。