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春の風は冷たい。
決して暖かくはない。
冷え性のせいか、いつも私の朝はこんな感じ。キッチンに立ちながら、冷たい足先をギュッとした。
「お母さん、弁当いつもありがとう」
「あ、起きたんだ? おはよ。理久」
愛息が学生服を着て寝ぼけた顔でやって来た。……頭はボサボサだ。うん。いつもの毎日ね。
「ちゃんと髪の毛セットしてから行ってよね?」
私の催促にぶっきらぼうに返事をして、朝食を食べ始める。なんだかその姿にほっとする。
そう。
いつも通りの光景。
母になって16年。