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めっちゃかけるようになったなぁ〜 これからも頑張れ!
どうも皆さんゆっぴーです!
今回は、恋のクラゲと六月の君。第三話を書きました。
恋のクラゲと六月の君
再び水族館に行く約束をした日。
平日の夕方、あのクラゲの水槽の前で、きみはすでに待っていた。
「ちゃんと、来たね」
「……当たり前でしょ」
クラゲたちは、前よりもずっと多くなっていた。
夏が近いから、だろうか。
「このあいだの話だけど」
きみが口を開く。
ぼくの心臓は、クラゲよりも不安定に揺れていた。
「“好きな人”は、ちゃんといる。でも……“気づいてくれない”の」
「……え?」
「ずっと、同じ水槽の中にいるのに、見てるのは別の方向だったりするじゃん。クラゲみたいに」
そう言ったきみの声が、ほんの少し、震えていた気がした。
そのとき、館内アナウンスが流れた。
「閉館まで、あと15分です」
きみはぼくを見て、ちょっと笑って言った。
「……もう一周しない? クラゲ以外も、見たいんだ」
ぼくはうなずいた。
そして、ほんの少しだけ、きみの袖に触れた。
──つづく。
終わりでーす。
また続き書くので待っといてください。m(_ _)m