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ダラスは俺に捲し立てる。
「おい、逃げんなよ! テメェが劣等生だろうが、関係ねぇ!」
「……ダラス君」
「ミリアや全員の前で死ぬほど恥をかかせてやるからな!」
「ダラス君、そんなことより――」
「話をそらすんじゃねぇ! テメェの泣き面を――」
「――席に着けと、言っとるだろうがこのバカチンがっ!」
――ズパァン!
出欠簿で殴られてダラスは教室の床に叩きつけられる。
俺は「先生がもう来てるよ」って教えようとしただけなのに。
ダラスに愛の説教(物理)をした若い女性教師はため息を吐くと、そのままツカツカと教卓の前で腕を組む。
「全く、入学して早々いきなりクラスメイトと女を取り合ったりだとか、決闘だとか――」
呆れたような表情で彼女はため息を吐く。
「私は割とそういうのは大好きだ。青春しろよ、学生たち。先生はそういうのしてこなかったから、追体験したくて教師になったみたいなところがある」
(……凄いこと言っているなこの人。残念美人って奴だな)
周囲の学生たちも若干引き気味なのが分かる。
しかし、学生となった今の俺なら彼女の言っていることも少し分かる。
魔法の研究に明け暮れる、俺にとってはそれも幸せだったが人との関りで得られる喜びがあるのも事実だ。
弟子とかじゃなくてできれば対等な……ミリアに『友達になってほしい』と言ったのも本心からかもしれない。
彼女は前の黒板に自分の名前を書く。
「私は今日からこのクラスの担任となったアンナ・レリィだ。26歳、独身。好きな言葉は『青春』嫌いな言葉は『ルール』だ。決闘も大いに結構だが、HRには席に着け」
先生になっちゃダメだろ、この人……。
先ほどの出席簿への魔力強化も見ていたが、この若さにして魔力の流れに対する理解が深い。
この人は恐らく俺と同じ天才タイプだ。
違うのは、俺みたいに研究者にならなかったことくらいだろう。
アンナは出席簿を開きながら俺たちに指示をだす。
「さて、じゃあまずは全員の自己紹介だな。私の愛する生徒たちの情報を教えてくれ」
愛する生徒を殴りつけておいて、この切り替えは凄い。
「――あぁ、そうだ『魔法紋章』も紹介してくれ。もうみんな、紋章判定は済んでいるだろう?」
……どうやら、俺はまたクラスで嘲笑の的にされるらしい。