テラーノベル
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⚠侑病み リスカ 口調迷子
※所々おかしいとこあるかも
それでもいい方はスクロール!
夕暮れ時、稲荷崎高校の体育館は、まだ熱気に満ちていた。ボールが床を弾む音、シューズが軋む音、そして、部員たちの荒い息遣い。
侑は、ネットの向こうにいる弟、治を見ていた。その横顔は、夕焼けの光でキラキラと眩しい。
最近、治は侑を避けているように感じていた。目が合うとすぐに逸らされるし、話しかけても返事は短くそっけなかった。そのたびに、侑の心臓はきゅっと締め付けられる。胸の奥がぎゅうぎゅうと痛んで、どうしようもなく苦しくなる。
「サム…!」
侑は、つい、声をかけてしまった。治は少しだけびくりと肩を震わせた後、ゆっくりと振り返る。その瞳に映る自分は、どんな風に見えているのだろう。嫌悪?それとも、無関心?考え出すと、胸の痛みがさらに増す。
「なんや、ツム。用事があるなら早く言えや」
治の声は、いつもよりも一層冷たかった。自分の思い込みなのかもしれないが侑は、あまりの冷たさに喉の奥が詰まって何も言えなくなる。何も用事なんてなかった。ただ、話したかっただけ。もう一度、弟の笑顔が見たかっただけなのに。
そんな侑の様子を、角名は、体育館の隅から静かに見つめていた。彼の表情は変わらない。だが、その瞳の奥には、どこか寂しげな光が宿っていた。
夏が終わり、秋の気配が濃くなってきた頃、侑の心は、季節の変わり目よりもずっと冷え込んでいた。治は、ますます彼を避けるようになった。部活が終わると、さっさと着替えて帰ってしまう。
「サム、待って!」
何度声をかけても、治は振り返らない。ただ、侑は、その背中をただ見つめることしかできなかった。心臓が鉛のように重く、全身を蝕んでいくような感覚。
その日の夜、部屋に戻った侑は、ベッドに倒れ込んだ。治はもう隣の部屋で寝ているだろう。彼がこんなに遠くに感じるなんて、信じられなかった。
「なんでや…」
声に出すと、涙が溢れてくる。止まらない。ぼろぼろと流れ落ちる涙が、枕を濡らしていく。侑は、震える手で、引き出しからカッターを取り出した。冷たい金属が指先に触れる。
(これで…これで、少しは楽になるんや…)
手首に刃を当てる。皮膚が切れる鈍い痛み。じわっと滲み出る血。その赤い色が、侑の心を少しだけ落ち着かせてくれた。治への募る想いと、彼に嫌われているという絶望。
その二つの感情が、まるで嵐のように侑の心の中で渦巻いていた。この痛みが、その嵐を鎮めてくれる唯一の手段だった。
※ホントは原作通りの二段ベッドが良かったけど都合が悪いので、この話では一人一人部屋があると思って下さい…!
評判悪かったら他の考える!!
コメント
7件
やば新作っ‼️💕😍侑の病み系大好き!🫶💓てかノベル書くの上手すぎ!👏🤤めっちゃ尊敬なんだけど✨Ranも見習わなきゃ🤭続き楽しみに待ってまーす!
やばい、好きすぎます🫶💕 めっちゃこういうの大好きです😍 何があったんだろ🥲続き気になります✨ ていうかノベル上手すぎで尊敬です🫣
新作来たーッ!😍 めっちゃ楽しみにしてたから嬉しい💕ていうかノベル上手すぎ… なんで治が侑を避けているのかめっちゃ気になるんやけど… 続き楽しみー!🥰🫶