これは私の妄想です。許せないって方はバックしてくださいね
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話はちょっと受験の時にさかのぼって・・・
IN 白鳥沢
「天童くん、天童く~~~ん」
体育館までの渡り廊下を
ふっふ~んと歩いていると
スカウトの松嶋くんから呼び止められた。
「どったの??松嶋くん??」
「ちょっと確認したいことがあって、
今お時間よろしいですか?」
「うん、今から自主練に行くだけだから、
急いでないけど 何かあったの?」
「先日言ってた「たくみ」って子なんですけど…
ほら牛島くんも言ってた。」
「あぁ、スカウトして!って
かんじくんにもお願いした子ね。
そうそう、たくみくん…
どうだった?見つかった??」
「いえ、その”たくみ”っていう名前以外、
何か情報がないですか?
県内の中学校でバレー部がある学校、
全部を確認したのですが ”たくみ”っていう
名前の部員がどこにもいなくて・・・
あ、それからは探索を全国に広げまして、
該当する名前の子が 2人ほどいたのですが、
その子達は、天童くんが言われた体形では
なくてですね
2人ともリベロらしく、
身長が160もない子達で…
こうなったら、という感じで
ライバル校のスカウト部門にも
聞き込みをして いるのですが、
どこもその名前の子にスカウトした
形跡がなくて・・・」
「え~~全国をモーラしてる
白鳥沢のおっそろしいスカウトの網でも
たっくん引っかからないの?
逆にすごいね!」
「えぇ、うちの情報網に引っかからない
なんて・・・
その子、日本にいます??
って感じですよ。」
「確かにそれを言われると怪しく
なるけど・・・
いやいや、近所の体育館にフラッと
来てることを考えると宮城県内に
いるとは思うんだけどね…」
「ですよね・・・
もう少し探してはみますけど、
もう推薦の日にちが そんなに
残ってないので、何か小さな事でも
構いませんので わかった情報があったら
教えてくださいね、
よろしくお願いします!」
「りょうか~い!
何かわかったら連絡するね。
ごめんね。」
と、そんなことをスカウト部と
話して体育館に向かうと
サーバー練習をしている
うちのエースを見つけた。
「若利く~ん。
さっきね、スカウト部の人が言って
たんだけど、宮城県内の中学校バレー部
すべてを調べたけど ”たくみ”って
つく子いなかったらしいよ~。
あのたっくん、どこの子
なんだろうね??」
「天童・・
お前はたくみと連絡
とってるんだろう。
直接聞けばいいんじゃないか?」
「いやいや、若利くん、
スカウトが行くこと内緒にしようと
思ってさ、
今まで聞いてなかったんだよ~。
そういえば、苗字も
聞いてなかったよ~~
あ~
失敗した~~~~!!!
まぁ、昨日も体育館に
顔出してみたけど、最近、
体育館にも 来てないようでさ…
う~~~ん・・
そろそろ本気で
たっくんに色々と聞かないとかな??
でもな…う~~~ん…」
「天童・・・
でも、あれだけ誘ったのだから、
自分でここを受けるかも しれないぞ。」
「いや、若利くん、
あの子もちょ~~~っと頭弱そうなので
うちの受験はムリだよね…
推薦ならって思ったんだけどな~」
「そうか・・・・」
「う~~~ん…
うちのスカウトでも見つからないって
たっくん、県外の学校だったのかな?
まぁ、今夜、たっくんに
L◯NEしてみよーっと。」
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そんな会話を知らない俺は、
天童さんからのL◯NEに 頭を抱えていた。
いつもの日常ほのぼのエピソード
「若利くんがね~」
で始まるので、平和ーって思ってたら、
そのあとのいきなりど直球な言葉・・・
「そういえばたっくんさ~高校どこいくの?」
あ、聞かれちゃった…
ですよね、
気になりますよね・・・
あの時、誘われてたけど、
そのままだったもんな~
う~~~ん…どうすっかなぁ…
青城受験のことは、できればまだ
内緒にしたいけど バレるのも早いだろうし…
う~~~ん・・・
でも、嘘はつきたくないし、
誠実に言えばわかってくれる…
はず…
うん。
そして俺は、考えていた気持ちのすべてが
伝わりますように
天童さんへ届きますようにと
祈りながら返事を書いた・・
「天童さん、
白鳥沢への話、本当に嬉しいです。
でも、牛島さんや天童さんと一緒に
バレーをするよりかは 二人と戦って
もっと成長したい気持ちの方が
今は強いです。
俺にとって、お二方のプレーは好きだし、
尊敬してます。
本当に憧れの先輩です。
もし、一緒のチームになった時、
俺のプレーに幻滅することが
あるかもしれない。
憧れの二人に万が一にでも、
そんな風に思われると考えるだけでも
俺はイヤです。
あいつは!って思ってもらえる
ライバル的な立場になりたいんです。
なので、来年は白鳥沢ではない高校へ
行けたらと 思ってますが、
まだ正直、内部受験か外部か
親との話し合いで 悩んでいるのも事実で、
今の段階でどこへ行くとは言えないです。
ごめんなさい。」
ここまで書いて本当に悩んだけど、
天童さんならわかってくれる と信じて、
ピッと
送信ボタンを押した。
すると、本当に読んでくれた??と、
思うぐらいの 速さで返信がきた。
「は??なになに??たっくん、
内部受験ってどこの学校なの??
エスカレーター的なことだよね。
附属?え??宮城県内なの??」
いやいや、天童さん、
俺の悩みに悩んだ気持ちを書いた
前半は読んでくれました??
すっかりスルーで、
後半部分に食いついてません??(苦笑
まぁ、天童さんだもんな…
と半ばあきらめて
「あれ?言ってませんでしたっけ?
俺、インターナショナルスクールなので
大体が大学ぐらいまでそのまま、
エスカレーターなんですよ。」
「あ、そうなのね~
へ~
インターナショナルスクールかぁ…
じゃあさ、じゃあさ、
英語ペラペラってことだよね?
え~~
今度話してみせてよ~
ペラペラのたっくん~~」
「何もなく、ペラペラと話せませんよww
って、天童さんも英語で
対応してくれるなら、喜んで!ww
よろしくお願いします、天童先輩!!」
「あ、なんか墓穴を掘った感じ??ww
わかった~また今度ね~」
と、まぁ、英語の部分にくいつかれて、
俺の決死の文言はスルーしたまま
天童さんとのL◯NEは、
ちょっと落ち着いた。
俺の気持ちが若利くんまで
きちんと届くかは、わからないけど・・
いや、天童さんなら言うよな多分…w
まあね、どうとでもなれ!って感じかな。
と、胸のつかえた部分がとれたような
スッキリした気持ちで 窓の外の月を眺めた。
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