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書くのってやっぱり楽しいですね‼️
1日で2回?も投稿していいのかな…w
書き溜めってやつもやってみたい
第2話 ニート部の午後
春の午後、ニート部の部室はいつも通りだらだらしていた。僕 こうたんは部室の端で座っている。まだ入部したばかりで、正直何をしていいのかよく分からない。
「おーい、こうたん! こっち来なよ!」
後ろから元気な声が飛ぶ。振り返ると、赤髪のなっしーが手を振っていた。
「なっしー……また?」
「当たり前でしょ! こうたんがニート部入りたてだから、案内しないと!」
関西弁っぽいけど、ちょっと不自然なイントネーション。いつもの彼らしい元気さだ。
部室には他にもメンバーがいた。
「またペアで来たな……」このが呆れ顔で見ている。
「仲いいのはいいけど、やりすぎんなよー」kunが横から小声で突っ込む。
「ほら、みんな注目してるやん!」ひまじんが大声で笑う。
なっしーはお構いなしに僕の横に立ち、部室の中を案内し始める。
「ここがゲームコーナーで、あっちはお昼寝スペースで、そっちは……」
全力で説明している姿が面白くて、思わず僕も笑ってしまう。
僕はまだ部員たちの前だし、あまり強気にはなれない。でも、なっしーが一生懸命説明しているのを見て、少し気にかけてしまう。
「……なっしー、無理しなくてもいいよ?疲れたら休んでいいよ」
思わず口にしてしまった言葉に、なっしーは一瞬驚いた顔をした。
「え? そうなの? ありがとうこうたん! でも僕、全然疲れてないし!」
いつも通りの元気さを取り戻して、にこにこと笑うなっしー。
彼を見ていると、やっぱり元気をもらえる。強気には言えないけど、少し距離を置きながら見守りたくなる自分に気づく。
その後も部員たちはそれぞれ好き勝手にだらだらしていた。
「なっしー、ちょっと落ち着け!」このが言うと、なっしーは「なんでぇ!?」と返すが、笑いが漏れる。
「まあまあ、こうたんも見て笑っとき」ひまじんが手を叩く。
僕は少し微笑みながら、部室の空気に馴染もうとする。
こうたんはまだ強気に出る時期じゃない。だけど、なっしーが周りに振り回されず元気に動いているのを、ほんの少し気にかける自分がいる。
午後のゆるい時間は、何もせず過ぎていく。
それでも、隣に赤髪の元気な子がいるだけで、なんとなく安心できる――そんな不思議な時間だった。