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『命令は続く』
翌日。
👁️🗨️は机に向かっていた。
鉛筆を握る手が震えている。
また頭の奥で声がする。
「失敗する。」
「どうせ無理。」
「全部終わり。」
呼吸が速くなる。
耳鳴りがして、視界が少し揺れた。
その時、ドアが開く。
Ი𐑼が静かに入ってくる。
部屋を見回し、👁️🗨️の様子を見る。
「……また聞こえてる。」
👁️🗨️は小さくうなずいた。
Ი𐑼は感情を表に出さず、短く言う。
「姿勢を正せ。」
👁️🗨️はゆっくり背筋を伸ばす。
「机から逃げるな。」
「……はい。」
「嫌だ。」
「やめろ。」
頭の中の声は止まらない。
思わず椅子から立ち上がろうとした、その瞬間。
「座れ。」
👁️🗨️の動きが止まる。
「でも……」
「『でも』は禁止。」
静かな声だった。
怒鳴ってはいない。
それでも逆らえない。
「今から私の命令だけ数えろ。」
「……一。」
「深呼吸。」
「二。」
「肩の力を抜け。」
「三。」
「足は床につけたまま。」
「四。」
少しずつ、呼吸が戻っていく。
頭の中の声はまだ消えていない。
それでも、数えることに集中すると少し遠くなる。
Ი𐑼は腕を組み、じっと見ていた。
「いい。」
その一言だけ。
👁️🗨️は少しだけ安心した。
するとまた声が響く。
「ほら、また失敗する。」
「全部壊せ。」
一瞬、手が止まる。
Ი𐑼はすぐに言う。
「その声に返事をするな。」
👁️🗨️は目を閉じかける。
「前を向け。」
顔を上げる。
「今見えているものを三つ言え。」
「……机。」
「窓。」
「時計。」
「聞こえる音を二つ。」
「……時計の音。」
「風の音。」
Ი𐑼は小さくうなずいた。
「それで十分だ。」
部屋は静かだった。
頭の中の声はまだ完全には消えない。
けれど、今この瞬間だけは、現実の音や景色のほうが少しだけはっきりしていた。
👁️🗨️は小さく息を吐く。
「……命令、完了しました。」
Ი𐑼は短く答えた。
「よくできた。次も、一つずつでいい。」
その言葉を聞いて、👁️🗨️はもう一度、ゆっくりと呼吸を整えた。
コメント
1件
うわ、この「数える」命令、すごく効いてる……。頭の中の声(いわゆる“インポスター思考”とか強迫的な思考ループ)を物理的な手続きで遠ざける手法、めっちゃ具体的でリアルだなと思った。4→3→2のカウントで「呼吸→脱力→接地」まで持っていく流れ、まさにグラウンディング技法だよね。Ი𐑼が怒鳴らず、でも一切ブレないのが逆に安心感ある。次も、一つずつ――これからどうなっていくのか、気になる。