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「まず見て?この事件、鍵となるのはゴミ箱に残された『スプーン』でしょ?」
宮舘は、探偵さながらに語り始めた。
「プリンが入っていた箱は丁寧に畳まれて捨てられている。 これは、几帳面な人間の仕業と言える」
「だけどこっち。スプーンの方は無造作に放り込まれてるよね。この矛盾…。つまり、犯人は『普段は几帳面だが、食い意地が張っている時だけ雑になる人物』ということになる」
それっぽい推理に、一同は「おお…」と感心する。
「そして、もう一つのヒント。それは、この宿泊施設のルールだ。夜10時以降のキッチン使用は禁止されているから…」
「だけど、プリンを食べるだけなら音はしない。犯人は、ルールを破ることに罪悪感を感じつつも、食欲には勝てなかった…いわば『真面目系食いしん坊』」
「真面目系食いしん坊…」
誰かがゴクリと喉を鳴らす。
「これらの条件に当てはまる人物が、我々の中に一人だけいる。…そう、君だよ」
宮舘が、ビシッと指をさした。その先にいたのは…
「…え?俺!?」
意外な人物、岩本照だった。
「ひーくん、真面目だし、甘いもの好きじゃん!」
佐久間が目を輝かせる。確かに、岩本はストイックで真面目だが、タピオカやチョコなど、甘いものには目がない。
「いや、俺じゃねえって!さっきも言ったけど、佐久間と風呂に…」
岩本が必死に弁解しようとした、その時だった。