今回は日日帝です
半分以上はネタを借りてます
日帝は女の子です
多分日帝可哀想?
それでも良い人はどうぞ
とある山奥にひっそりと在ったとある村の話
村の当代領主である、江戸に女の子が生まれた。しかし江戸は困り果ててしまいます。何故ならその村で生まれた女の子は神の怒りを買い、いずれ村を滅ぼすという言い伝えがあるからでした。そのためこの村では女の子が生まれるたびに、その子供を殺し、神の生贄として捧げて来ました。江戸は言い伝え通りに子供を生贄に捧げようとしましたが、どうしても我が子を殺めることが出来ませんでした。でも領主としての身の上がある以上、言い伝えに奉じなかったことを村人に知られてはならないと思った江戸は我が子を屋敷の蔵に匿い、村人の目に触れないようにして、初めから生まれた無かった事にしました。その事を知るのは江戸の他に、女の子を取り上げた産婆のうめ、蔵の門番を務める使用人の拓郎だけです。そしてその翌年には、立派な男の子が生まれました。しかしその出産後に妻は死んでしまいました。弟は『日本』と名付けられ、次期領主としての教育を受けて育ち、姉は『日帝』と名付けられ、存在しない子供として蔵の中で育てられました。しかし日帝が寂しいと思う事はありません。小さな窓から蔵の外を見て、四季を感じて外を空想して楽しむ、門番の拓郎が聞かせてくれる色々な小話、産婆のうめが持って訪ねてくるお菓子、そういう些細な幸せを享受出来る、優しく朗らかな子だったからです。一方弟の日本は、武芸と学問だけではなく、領主として村を治め、如何に正義を成していくかを叩き込まれて育ちました。日帝が11歳、日本が10歳になった年のある夜、日本は1人弓矢の稽古をしていました。その腕は確かなものですが、何度も弓を引いている内に汗で手元が狂い、矢はあらぬ方向に飛んでいってしまいました。矢を拾うために飛んだ先を追うと、いつの間にやら、江戸から「決して近寄るな」と言われていた蔵の前に来ていました。門番の拓郎も寝てしまっています
「もし…もし…」
突然の声に驚いた日本は蔵の中を覗き込みました。そこには性別は違えど自分と全く同じ姿の日帝が…拓郎やうめから弟の話を聞いていた日帝は、窓に現れたのが日本だとすぐに分かりました
「お前はもしかして、私の弟の…日本か?」
姉の事を知らされてなかった日本は戸惑いましたが、村の子供達とは疎遠であるからか、すぐに日帝と親しい仲と成りました。その日から毎日のように、江戸と拓郎の目を盗んでは、窓越しの会話を楽しむのでした。拓郎は2人の逢瀬に気がついていたのですが、日帝の事を気の毒に思って、知らぬふりを続けました。日本は日帝と話している内に、なぜ日帝が蔵に幽閉されているかを知り、日帝に1つ約束を結びます
「姉上様。必ず姉上様が日のもとで暮らせるよう、私が父上を説得してみせます。父上が許さずとも、私が当代となったらば、下らぬ迷信など村から消し去ってみせます」
「ありがとう日本。その気持ちだけで嬉しいから安心してくれ」
明くる日、日本は父親から姉を放つように説得しますが、江戸は頑として認めませんでした
数年後
日本は15歳、日帝は16歳、元服を迎えました。祝いの席では沢山のご馳走が振る舞われました。ですが江戸がそれをひとくち食べた途端、大きく痙攣を起こし、呼吸を乱した後、地に倒れ事切れてしまいました。屋敷の者たちは、近年不作で苦しんでいる農家が、逆恨みして作物に毒を仕込んだのだと噂しました。しかし当代となった日本は、証拠が何もないからと追求することはありませんでした。翌日、江戸の葬儀と共に、日本の当代襲名披露が開かれました。数名の村人を前に日本はこう言いました
「領主としての襲名を仕る前に、ひとつ、先代の秘匿を明かさなければなりません。私には1つ離れた姉が居たことは知っている人も在るでしょう。先代はこの村の言い伝えに従い、姉を神の生贄として捧げたと、ですがそれは先代の謀り。姉の日帝は生きていて、今もこの屋敷に住んでいます」
それを聞いた村人たちは不安を募らせましたが、日本は話を続けます
「先代の謀りを成り代わって、皆さんにお詫び申し上げます。そして、姉が生きている今、神の祟りなど起きていません。祟りなど迷信なのです。そして血脈の序列を差し置いて、私が当代を襲名するは過怠。姉と私の両脚で、この村を治めていきます」
村人の反応は芳しくありませんでした。祟りを心配する者、江戸の嘘に激怒する者、遂には、今からでも日帝を殺せと言い出す者も現れました。村人達は作物の不作や、病気、不慮の事故、江戸の死でさえ日帝のせいだと言い出し、襲名披露は大慌てとなってしまいました。一方その頃蔵の中では、日帝が騒ぎを聞いて外の様子を伺っていました。父親の死を知らされていない日帝は、先日から屋敷が慌ただしいのをただただ不安に思っていました
「拓郎、拓郎はそこに居るのか?」
「はい何でしょう。日帝様」
「何やら外が慌ただしいが、何かあったのか?」
「今日は村人達が屋敷に来ておるようですが、日帝様の心配には及びません」
その時、母屋が一層騒がしくなり、叫び声まで聞こえてきました。そして煙が巻き起こったと思ったら、母屋から火が熾りました。窓からそれを見た日帝は大慌て
「私は火消しに参ります。日帝様は、蔵の中でご避難なさいませ」
拓郎はそう言うと、裏の井戸へと走っていきました。しかし…
「いかがされたのです!?そんな物を持って何を…!お…おやめください!! 」
拓郎の叫び声を聞いた日帝は、あまりの恐ろしさにその場に竦み上がってしまいました。蔵の裏手から足音が忍び寄り、扉のカンヌキを外す音がして、蔵の扉がゆっくりと開かれました…そこに立っていたのは日本でした
「ご無事で何よりです姉上様!」
「大丈夫なのか日本?一体何が起きているんだ?」
安堵した日帝は日本に駆け寄ります。ですが日本の手には…血に濡れた刀が握られていました
「姉上様、もう大丈夫です。私達を邪魔立てする者は誰一人居なくなりました。さぁ…姉上様…日のもとを歩んでいきましょう。私と一緒に…♡」
そう言って日本は刀を落とし、日帝を抱き締めました
〜此処からは日本視点〜
「ヒッ…に、日本?」
「ははッ♡姉上様そんなに怯えないで下さいよ。嗚呼…姉上様の体温は暖かいですね♡」
「…み」
「み?」
「本当にッ……み、皆を…こ、殺した……のか?」
「えぇ♡皆姉上様を殺せと言ってきたので…全員殺しました」
嗚呼…姉上様そんなに泣かないで下さいよ。本当なんですよ?アイツら姉上様を殺そうと屋敷中を探し出そうとしたんですから、死んで当然です。ねぇ姉上様…どうして私から離れようとするのですか?もう此処には、私と姉上様しか居ないんですよ?姉上様1人で生きるには限界があるんです。私から離れようとしないで下さいよ。寂しいじゃ無いですか♡
「ち、父上は?」
父上ですか?父上なら昨日毒で死んでしまいました。それなりの猛毒を使ったのですぐに死んでくれましたよ♡嗚呼… こんなに怯えて、それ程私が怖いのですか?
コクッ
どうして私を怖がるのですか?全ては姉上様の幸せの為だと言うのに。嗚呼…それともまだ日のもとに出られる事に実感が無いんですよね?それじゃ一旦この蔵から出ましょうか。………まだ抵抗するんですか?フフッ…必死に足掻こうとする姉上様も愛くるしいですね♡
「た…頼むから、いつもの日本に戻ってくれ……」
何を言ってるんですか?コレがいつもの私ですよ。何の変化もしていません。もしかして私の気持ちにまだ姉上様は気付いて居なかったんですか?………その様子だと本当に気付いて無かったんですね。じゃあ今から分からせる必要がありますね♡大丈夫ですよ。既成事実などを作るだけですので。最初は痛いかもしれませんが、どの道姉上様は私に縋るしかないんですから。
うp主「という訳でデータ消えた泣くぞ?(இωஇ`。)」
うp主「終わりますまたねーヾ(*´∀`*)ノ」
コメント
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いつも見てます!貴方の作品大好きです!