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―私は幼い頃、親に捨てられた。


記憶がある時…4歳くらいだろうか?その時には私は既に一人だった。それは私にとって当たり前で、人に出会うまで、人は大人になるまで家族というものと一緒に過ごす事を知らなかった。

そんな中で、私が誰かに初めて会ったのは…多分だけど8歳くらいの時だったと思う。

その人は、金髪の長い髪をふわっとさせ、金色の綺麗なまつ毛に、海をはめ込んだかの様な綺麗な青色の目をしていた。

その人はいつものんびりとしていて、私にこの世界の色々な事を教えてくれた。普段の生活についても教えてくれた。

私は自分について何も言わなかったが、その人も自分の事について何も言わなかった。知り合いよりも仲はいいけれど、友人程でもない。そんな不思議な関係だった。

その人は数少ない自分の話よりも、周りの話をする時の方がずっと楽しそうだった。私もそんな姿を見て、毎回笑ってしまっていた。ただただ純粋に楽しかった。


いつからか、その人と会うことは無くなった。多分、普通に生きてれば会うことはないんだろう。

私はあの時以外で、笑えた事はない。いつしか表情が動かなくなっていた。自分自身を出す事をせず、猫を被って行き続けてきた代償だろうか。ならば私は、それを受け入れるしかない。

「はぁ…もう、これから変わらないのかな。」

窓の外にある星空を見つめながら、溜息を一つついてからそう呟いた。

―これは、私のいつしかの記憶だったもの。

読切 - 過去の記憶を -

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