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夜中。暗い部屋に小さなもぞもぞが伝わってきた。
「……ん……祐希さん……」


「藍?」


「さみしい……ぎゅって……して……」


寝ぼけた声で胸に潜り込んでくる藍。そのまま腕をまわしてぎゅっと抱きしめてやると。


「……ん……あったかい……」


「ほんとに寝ぼけてんのか?」


「……しーっ。寝ぼけとるからわがまま言うてもええやろ?」


「……はいはい。寝ぼけてるフリ、許可」


「ふふ……ありがと、祐希さん」


そう言いながらさらにぎゅっと抱きついてくる。その声が妙にしっかりしてるもんだからついからかう。


「なあ藍。寝ぼけてんのに、やけに喋りはっきりしてんじゃん」


「ばれた?でも……寝ぼけたフリでもせんと、甘えんの恥ずかしいんやもん」


「恥ずかしいって……」くすっと笑って藍の髪を撫でる。


「俺に甘えるの、そんなにハードル高い?」


「高いよ……。俺、祐希さんのこと……好きすぎて、ほんまは抱きつくたびドキドキしてる」


「そっか」


胸がじんわり熱くなる。抱きしめる腕に力をこめて。


「藍。俺のとこは、藍が遠慮せず戻ってくる場所だよ」


「うん……祐希さんがおると、俺安心する。ここが一番落ち着くんや」


「じゃあ、わがままも甘えも全部ここで言え」


「そんなん言われたら……ほんまに離れられんようなるやん」


「いいよ。ずっと離れんな」


「……ん。じゃあ、ずっとぎゅーしててな……」


囁くようにそう言って、藍は小さく笑い胸の中で安心したように眠りに落ちた。その温もりを感じながら、静かに目を閉じた。


可愛がり上手な彼と甘え上手な彼

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