コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
🌷精神力の消耗 月曜日、ティアはひとりで光の部屋に入り、掃除を終え、掃除用具を片付け、再び光の部屋に戻る。両手を組み合わせて一心に祈りを捧げ、光の石に光の力を解き放つ。ミリアに言われた通り、休憩しながら少しずつ光の力を使う。「お前は、ここにいるべきではない」「そんな資格はない」「お前の力でここにいるものか」「全て親のおかげだ」それでもしだいに精神に疲れを感じてきたティアに、幻聴が否定的な言葉を浴びせかける。ティアは集中力を乱されそうになりながらも光の力を使い続けるのだった。「やめろ」「今更なぜ頑張る」「もうお前は手遅れなんだよ」「光の国の落ちこぼれ」幻聴の言葉に耐え、光の石はオレンジ色に変わった。ティアは、そのことを確認すると、光の部屋を出た。
「ティアさんお疲れ様でした」ティアがひとりで光の部屋に入るのは今日が初めてなので様子を見に来たミリアがティアに声をかけた。「はい……」ティアはそう答えるのが精一杯で、その場に座り込んでしまった。ミリアは、ティアの精神力の消耗の仕方に、内心驚いていた。(おかしい、光の力は確かに精神力を要求するけれど、優しい力だから、ここまで使用者の精神を追い込むことはないはず、まるで抑制が効かない闇の力を使ったかのよう)ミリアは、思った。「ティアさん、少し休憩しましょう、休憩室にご案内します」ミリアは平静を装い、ティアを休憩室に連れていき、ソファに座らせた。「ここで休んでいて下さい」「はい、ありがとうございます、少し疲れてしまって」ティアは、これから先やっていけるのか不安になった。
ミリアは、ティアが使用した光の部屋に入った。光の石はオレンジ色になっている。(使われたのは光の力だわ、わたしの思い過ごしならいいけど)ミリアは、ティアが光の力を供給したことを確認した。
ティアは、休憩したら回復して、データ入力の仕事をいつも通りにこなすことができた。そして、その日は帰ったのだった。ミリアがティアの力に、闇の力の疑いを抱いたことなど知る由もなかった。