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🌷ティアの幻聴の内容 その夜ミリアは、自宅での夕食の時間、児童精神科医である夫とふたりで夕食を食べていた。「ねえあなた、あなたの昔の患者さんのこと覚えている?ティアという名前の女の子」ミリアはティアのことを夫に相談することにしたのだ。「彼女のことなら覚えてるよ、どうして君が彼女のことを?」「ティアさんは、最近光の力に目覚めたの、わたしティアさんの母親からティアさんを神殿で働かせてもらえないかってたのまれてティアさんと面談をしたのよ、精神疾患を抱えていると聞いたけれど、穏やかで落ち着いていたから、わたしは採用を決めたの、神殿の仕事はいろいろあるけれど、光の部屋で光の力を供給源に変えて、光の国に送り届ける仕事よ、光の力に目覚めている者にしかできない仕事だから、エネルギー不足にならないためにもひとりでも多く、この仕事ができる人達が必要なの」ミリアは、その理由を夫に語った。「無理のない時間設定だし、大丈夫なんじゃないか?」夫は、答えた。「ええ先週は問題なかったの、でも今日なんだか様子がおかしいのよ、精神力の消耗が激しくて、驚かないで聞いてね、まるで闇の力が暴走したかのような状態なの、光の力は優しい力だから、そこまで使用者の精神力を追いつめるはずがない」ミリアは夫に打ち明けた。「なんだって?あんなに気持ちの優しい子なのに」夫は驚いてしまった。「やっぱり精神疾患では、無理だったのかしら、ティアさんは、一体どういう症状なの?」ミリアは働き手を失いたくはなかったが、もしここでティアに光の部屋で光の力を使わせ続けて、闇の力に変化する危険性があったらと思うと、心配だった。「主に幻聴に苦しんでいる、そのためか疲れやすい」夫は話した。「ティアさんの幻聴の内容はどんなものなの?」ミリアは聞いた。「知らないんだ、彼女は決して幻聴について話そうとしなかったから」夫は今でもそれが心残りだった。「ええ!?ティアさんの子供時代ずっとあなたが診てきたんでしょう?」ミリアは驚いた。「本当にごめん、でもどうしても話そうとしなくて、ぼくにできたことは遊戯療法で彼女の心の傷を癒してあげることだけだった、彼女は子供の頃幻聴から行動で逃げていた、本を読むのが好きでその合間に夢中で本を読んでいるような子だった、だから頭は悪くないと思うんだが、大人になるにつれてだいぶ行動は落ち着いたが、それでも幻聴の内容は知ることができなかったんだ」夫が語ったことから、もしかしたら幻聴の内容がティアの闇を刺激する内容だとしたら?ミリアはその可能性が高いと思った。(幻聴は、うまくいかなかった抑制力の結果なのでは)ミリアはやはり精神疾患を抱える者にこの仕事は無理だったのではないかと思った。しかも、ティアは行動で耳をふさいで逃げていた。「大人になってからは考えて行動するようになったって聞いたわ、ティアさんの内面ではその声を紛らわさずに聞くしかない状況なのね、その声をどうすることもできないことが原因なのかしら?」ミリアは夫に言った。「そうかも知れないね、もしそこまでティアの精神に負担がかかるなら、別の仕事を考えてもらうしかないね、今のティアの精神科医と時々連絡を取っているんだけど、ティアは当たり障りのない会話しかしないそうだ、ティアは幻聴の内容を本当に誰にも話せないんだ」夫は言った。「そうね、とにかくもう一度ティアさんと話をしてみるわ」ミリアはそう決めた。「ティアはなりたくて精神疾患になったわけじゃないんだ、なんとか理解してあげて欲しい」夫は、ティアの就職がうまくいくことを望んでいる。「わかったわ」ミリアはティアともう一度話すことを決めたのだった。