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同盟締結後、初の共同任務。
目的は、
rbr が拘束されていた実験施設の完全制圧、および証拠回収。
前線指揮所。
簡易机の上に投影された地図を指し示しながら、sm が淡々と説明する。
「侵入ルートは二つあります。
正面側を wrwrd 国の前線部隊。
裏手から、こちらの潜入部隊が入る」
無駄のない声。
感情を挟まない、司令部隊長らしい進行だった。
周囲に集まる両国の隊員たちは、
作戦内容以上に――
この任務で rbr と sm が再び顔を合わせることを、どこかで意識していた。
作戦開始直前。
薄暗い通路の影。
装備点検を終えた rbr が顔を上げると、
そこに立っていたのは sm だった。
一瞬、互いに言葉が詰まる。
先に口を開いたのは sm。
「……もう、歩けるようになったんですね」
確認するような、けれど必要以上に踏み込まない言い方。
「はい医療部隊長のおかげで」
rbr は肩をすくめて、軽く笑う。
「今日は、その借りを返しに来ました」
sm は即座に首を横に振った。
「返される覚えはありません」
間を置かず、はっきりと。
「それでも、です」
rbr は視線を逸らさずに返す。
短い沈黙。
遠くで装備の金属音と、通信のノイズが重なる。
「今回は、並んで行きましょう」
rbr がそう言った。
sm はわずかに目を細めて、頷く。
「了解です、司令部隊長」
その呼び方に、rbr は一瞬だけ目を瞬かせたが、
すぐに納得したように息を吐いた。
――もう、敵同士ではない。
作戦は予定通り成功した。
施設は制圧され、
実験記録、薬剤データ、関係者名簿はすべて回収。
火の気が消えた施設を背に、部隊は撤収する。
帰還後。
簡潔な報告を終えた二人は、並んで通路を歩いていた。
「同盟って、正直面倒ですね」
sm が前を見たまま言う。
「否定はしません」
rbr は苦笑する。
「ですが……悪くはない」
「ですね」
それだけで、十分だった。
かつて鎖に繋がれていた場所は、もう存在しない。
その代わりに残ったのは、
戦場で確かめ合った信頼と、
国を越えて続いていく関係だった。