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行く宛てなんて無い。私たちはただ、こんな汚れきった狭い世界から逃げたいだけだから。
歩いてる時に見つけた殺人犯の張り紙。賞金なんか語っちゃって、何が面白いんだろう。
殺人だって、ちゃんと意味があるはず。そりゃ愉快犯も居るけど、殺人が一概に悪い。なんて言えない。
レイも何も悪くない。
『私たち、どこに行くんだろうね。』
電車に乗ってる時、レイはそう言った。どこか、遠いところを見ながら。
そんなレイが急にどこかに消えてしまうようで、怖かった。
『そんなの、わかんないよ。でもずっと一緒。』
これは呪いみたいなものだ。レイが私から離れない為の。
『、、、結局、私誰にも愛されなかったなぁ、、、』
少し震えた声でレイは言った。
『それは私も一緒。それに、私はレイを愛してたし、レイは私を愛してくれてた。』
『、、、そっか』
震えていたレイの声は少し明るくなったみたいだ。
レイの提案で私たちは電車を降りた。駅の名前は『ときみ駅』
私たちは今まで乗っていた電車を追いかけるように、線路の上を歩いていた。繋いだ手はもう震えていなかった。