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『あの人亡くなったよ』
休み明け職場で交わされる
こういう会話 にもすっかり
慣れてしまった
看護師として 病院勤めも
3年と 少し こんな会話は
いつも隣にあった
看護学校の先生に言われたこと
を思い出す
患者さんの病気や死と向き合う時
医療従事者が陥りやすいこと
共感しすぎて自分の無力に
苛まれ心を病んでしまうこと
慣れてしまい 他人事として
何も感じなくなってしまうこと
共感しつつも 共倒れにならない
距離感で 患者さんや家族の
支えに なれるプロであって
ください と
無理無理無理無理ゲーですよ
先生!
こんな若造には荷が重すぎる
職場とアパートを往復する毎日
バッチリ 心病んでまーす!
穏便に仕事辞めたーい
寿退社したーい
彼氏欲しーい
仕事仲間と飲みに行ってクダを
まく のが唯一の気晴らしですよ
そして ただいま先輩の部屋で
先輩の友達(男)とその友達たち
と 宅飲み中 なぜか恋愛遍歴?
性癖? 暴露大会が始まった
自分 の番に備えようと
慌てて過去エピを掘り起こす
小さい頃から 男の子たちと
野山を駆け回ってた
ちょっと奥に入ったらガチめに
帰ってこれなくなる系の野山
日焼けだか 汚れだかで真っ黒
だったし 一人称もボクだった
悪ガキどもとタバコで火遊び
してたの バレて父のゲンコツ
もらった こともあったなぁ
母にはよく 『アンタは男の子
に生まれてくればよかったのに…
お◯ンチンをお腹のなかに忘れて
きちゃったんだね………』って
言われてたし自分でも
そう思ってた
そんで ソレを見事に弟が拾って
きた弟は色白茶髪のヘーゼルアイ
睫毛もバシバシ! 女の子に
生まれて くればよかったのに
ボクの 忘れモノを律儀にも
持って 来た弟に
チクショー ソレは ボクのだ!
と マジで思ってた幼少期
小学校時代は ずっと そんな
感じで 悪ガキどもと つるんでた
初恋の 相手は男の子だった
都会から転校してきたキレイ
な少年( 中身は悪ガキ)が
同じグループに 入ってきた
すぐに女子の人気者になった
ソイツに 他の友達と同じように
接することが 出来なくなって
そのうち 自分がその グループに
いることも 恥ずかしく なった
ちょうど運動部に入ったことも
あって 部活の女子グループと
一緒にいる ことが増えた
初恋の思い出は席替えのくじ引き
で隣の席になったんだけど
目が悪い子とチェンジになって
しまって 思わず
『えー…隣 お前のが良かった』
と言ったら
「オレも」
と 返ってきたこと それだけ!
甘酸っぺー!
転勤族だったのかな?
また転校してしまったそのコに
それ以上気持ちを伝えるような
チャンスも勇気もなかった
次に好きになったのは
中学の部活 の先輩で
ベリーショートの中性的な
美少女 そう 女子だった
まぁ この時期は恋に恋する
乙女 ですし
憧れと恋がゴッチャに
なってても おかしくはない
別になんの行動にも
移さなかったし
セーフ セーフ!
次は高校に入って部活が一緒に
なった 同級生
こちらもショートの中性的な
塩顔の美少女
あれ?
ボクはマジでソッチでしょうか?
この頃めっちゃBLにハマって
たんだけど BL好きの百合?
自分の性を疑いだす高校時代
もちろん 行動に移す気なんか
無かった 無かったんだけど
そこは思春期!
二人で部活の帰り道 いつも通り
バスを待ってた
他愛のない話をしてて
バス停にはたまたまひと気が
なくて ただ なんとなく
その子の唇に目がいった
すごいね
本当にこんな展開あるんだ?!
無意識に 引き寄せられた
キスする前に
『なに?! なんなん?!』
ビックリされて 不発に終わる
笑って 冗談とごまかしたけど
全然ごまかせて なかったと思う
なんせ こっちも自分にビックリ
してんだから!
言い訳なんて思い付くはずもない
え?!攻めですか?
自分マジっすか?
あ 百合だとタチっていうん
でしょうか?
その後はちょっと気まずく
なっちゃったし
ケガして部活辞めたことも
あって 何もなかったけどね
女子高だったら 王子様やれた
のかなぁ
普通に共学だったからな
でも 練習試合で女子高の子に
写真 一緒に撮って下さいって
言われた こと あるもん
(ちょっと嬉しかった)
んで 撮ってあげたら
『きゃー!かわいいー』
って言われたんだけど?
え?カッコイイんじゃなく?
真っ黒に日焼けしてて短髪で
男子みたいだったけど
身長160 ない チビだからなぁ
かわいいとカッコいい
どっちのキャラでいけばいいん?
ってチームメイトに聞いたら
『どうでもいいから試合に集中
しろ!』
って 怒られちゃったんだっけ
さて 自分の番が回ってきて
面白いとこだけに編集してみたら
『高校時代 女子に惚れてチュー
したこと ありまーす』
くらいしか言うことなかった…
未遂とかオモんないので
ちょっと盛った
なんてつまんない ボクの青春
あと今は 彼 氏 が
欲しい ! と付け加えといた
女子達にちょっと引かれた気配を
感じた ………ヤバい
大丈夫だって キミらタイプ
じゃないからセクシー美女とか
可愛いじゃなく 中性的な美人
が好きなのっ! 男でも女でも
そんで大人になると 周りの
女子たちは 普通に女性っぽく
なったし 男性を好きになる
ことが 多くなったわけだ
って考えて気付いた
ただの面食い じゃんか
しかも男女見境いなしの….
そして 20を超えても
年齢=彼氏彼女いない歴の
タイプだ
妄想だけがお盛んな拗らせ
オタク清らか乙女だ!
(性自認も怪しい) とは
公表しなかったよ モチロン
さすがに今の 一人称はワタシだ
社会人としてソコはそうだけど
心のなかには いまだ
ボクが いる 気がする…
はい 次
ワタシのとなりの ホスト
みたいな 灰色髪した兄ちゃんが
喋り出す 喋りが上手いなぁ
内容は 本命の彼女がいるけど
セフレもたくさんいる とか
経験人数100超えてから数えて
ない とか
実家と職場が遠いから 大抵
セフレの家に泊まってるとか
クソくずエピソードなんだけど
その見た目と喋りなら
まぁ でしょうね? と
皆 納得で笑っちゃってんのが
スゲぇな………コイツ
いやドン引きだけども
一通り恋愛遍歴 発表が終わって
先輩が準備してくれた料理を
皆でつついてた
青い桜と書いて 青桜(セオウ)
となりの彼の名前
『なんて? どういう意味?』
失礼とは思うが ノリが 軽く
話しやすい 彼に聞いてしまった
「いや 知らんし 親に聞いて」
ケタケタと笑った彼に
「とんびちゃんの名前は?」
と 聞かれた
『名前好きじゃない から
名字でチガって 呼ばれてる~』
『…ってか とんびってなに?』
「ほら 羽根生えてるから
とんびちゃん ね」
青桜くんが指さしたワタシの
肩には 確かに茶色の羽毛が
生えてた
どこから ついてきたんだ?
けっこう目立つ
『あはは ほんとに生えてる』
『トビっぽいかもー』
そうね こげ茶色の短髪
可愛い オシャレとは縁遠い
ダークカラーのボーイッシュな服
なかなかのネーミングセンス
だわ
慌てて羽毛は取ったが その後
けっこう 遊ぶことになるこの
メンツの内で
ワタシは “トビちゃん ” になって
しまった