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若井「も、無理…」
藤澤「若井、僕、どうしてこうなったか知りたい。早く気づかなくて、ここまで追いつめて、ごめんね」
涼ちゃんが若井を優しく抱きしめる。若井の体は震えていて、すごく怯えていた。なんでこんなことになるまで気づかなかったんだ。なわか変だなって思ってたのに。
大森「若井、ごめんね。若井だって辛い時は辛いのに、俺…ずっと決めつけて…」
藤澤「ゆっくりでいいから、話してほしい。話せるまで、ずっと待つから。ね、元貴」
大森「うん。もちろん。」
俺もなぜか泣いてしまって、涼ちゃんが優しく手を握ってくれた。こんな状況でも落ち着いてる涼ちゃんは、やっぱりかっこよくて、安心した。
ずっと俺は申し訳なくて、いっぱい安心させたくて、泣きながら若井の背中をさすった。
15分くらい経って、若井がぽつぽつ話しはじめた。顔を少しあげて、涼ちゃんにもたれながら、俺の手を握りしめて。
若井「僕、この間エゴサしたら、ふ、太ってるって…3人で並んだら1人だけ顔がでかくて、しかもブサイクなんだって」
藤澤「うん、そっか」
プライベートでほぼ聞いたことのない、若井の「僕」呼び。自分でも気づいてないっぽい。そうとう辛いんだろうな。
若井「それで、最近自信ついたのに、まだまだだって思って、ダイエットしたの」
大森「そっか、それで何にも食べなかったの?」
若井「ぅ、ごめんなさぃ…」
大森「怒ってないよ。頑張ったね…」
若井はずっと笑っていた。俺とか涼ちゃんがへこんでたらいつでも駆けつけてくれて、優しい笑顔で暖めてくれる。その笑顔にいつも甘えさせてもらっていた。
若井は、自分に嘘をつくようにずっと笑っていた。大丈夫、大丈夫と暗示をかけて、俺たちが分からないようにずっと。自分の心は傷ついてるのに、それを無視して笑顔で蓋をしてたんだろう。
今思えば、そういう時の若井の笑い方は、なんか変だったな。口角はぎゅっと上がってるのに、目は泣きそうだった。寂しそうで、苦しそうで、きっと体が無意識に助けを求めてたんだろう。
大森「気づいてあげられなくて、ごめんね…」
若井「僕、お兄ちゃんだもん…ひ、1人で大丈夫なのに…!」
藤澤「もっといっぱい甘えていいんだよ」
大森「俺が、甘えられない環境を作ってた…
うぅ…ごめんなさい…」
泣きたいのは若井なのに、後から後から涙が溢れる。若井に「強いね」って言ったから。若井は頼ることを、甘えることを忘れようとして、こんなになるまで無理をした。俺のせいじゃん。若井を抱きしめている手が、ガタガタと震える。
わあああああ…あとちょっとだあああ…