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総悟「ここで行き止まりのようだ」
栞「ここだけ石で塞がれてる」
総悟「隙間風だ。壊すぞ!」
そう言うと総悟さんは勢い良く石を蹴り始めた。
ガンッ ガンッ
すると、ちょっとずつだが石が押されて隙間が広がっていく。
ゴトッ
石が倒れ出口ができた。
この隠し通路はどうやら庭に繋がっていたようだ。
周りを警戒しながら穴から出る。
ガシャーーーーン!!
殿様「どういう事だ!!!!何故見つからんのだ!!!」
大広間から壺が投げ出されると同時に殿様の怒鳴り声が聞こえてきた。
私達はすぐさま縁側の下に隠れ身を潜めた。
ガシャーーン!!!
身を潜めている間もずっと大広間からは物が投げ出されていた。
殿様の怒りは鎮まらない。
それをしり目に私達は側室の部屋まで進んでいく。
栞「ダメです。部屋の外に護衛が居るせいで中に入れません」
総悟「俺が引きつける。その間にお前は側室達を逃がせ」
栞「分かりました!」
総悟さんはそう言うと、縁側から出て護衛達に姿を見せる。
護衛達は驚いていた。
しかし、すぐに我に返り一斉に飛び掛った。
護衛は全員居なくなり、その隙に部屋に入る。
帰蝶「きゃああ!!誰ですかいきなり?!」
栞「帰蝶さん、私です。栞です!」
帰蝶「栞様?!何故戻って来たのです?!」
栞「貴方達を助けに来ました」
帰蝶「助けに?でもどこから出るのです?」
栞「私に任せてください。一緒に行きましょう!」
帰蝶「はい!」
他の側室達に声を掛けたが1人だけ断り続ける者がいた。
咲「だ・か・ら!行かないって言ってるでしょ!!何度言えばわかるのよ!ったく」
栞「でも、ここから出ないと咲さんの命まで危ないんですよ!!」
咲「何言ってんのよ、私はずっと義時様の側室として可愛がられてきたの。
殺されるはずが無いじゃない。
それに今の暮らし結構気に入ってんのよ!」
(総悟さんが危険を犯してまで作ってくれた時間を私は今無駄にしてるんだ……。)
そう思うとだんだんと怒りが込み上げてきてた。
パーーーーン!!!!!
気付けば私はいつの間にか咲さんの胸ぐらをつかみ頬を平手打ちしていた。
栞「何言ってるんですか。
可愛がられてきた?知りませんよそんな事。 貴方が死のうが死にまいが私には関係ない。ここに居たいならどうぞ残ってください。その選択で貴方が後悔しないのならね 」
咲「………。 」
栞「すみません皆さん。それでは行きましょうか」
咲「分かったわよ!!行くわよ!行けば良いんでしょ!」
突き放すような発言が効いたのか咲さんをこの部屋から出すことに成功した。
あとは裏口から逃がすだけ。
栞「羽織は脱いで軽い格好になって、私に着いてきて下さい!!」
薄着になる事に皆抵抗して脱がない。
だが、今は恥ずかしがっている場合じゃない。
このままでは捕まってしまう。
帰蝶「脱ぎなさい!!今は恥じている場合ではありません。一刻も早くここから出たいのなら栞様の指示に従うのです!」
( 帰蝶さん…)
帰蝶さんの言葉が効いたのか皆脱ぎ始めた。
そこから皆で裏口の場所まで走って行った。
しかし、そこには刀を構えた殿様と後ろには5~6人の武士がいた。
殿「ご苦労だった栞よ。
せっかく逃げたのにまた戻ってくるとは馬鹿な小娘。
さっさと戻らんか!!
でないと、お前ら全員此処で終わりだ」
側室「嫌だ………死、死にたくない……」
(やっとここまで来たのに死んでたまるか!!)
栞「私が相手します」
護身用に背負ってきた刀を抜き構える。
殿「フハハハッ馬鹿め!!
お前みたいな奴が刀を扱えるわけが無い。
刀を握ったことも無い小娘はなぁ余に切られて無様に死ぬのがオチじゃ!!
女は愛想振りまいて余の言うことだけを素直に聞けばいいのだ!!!」
栞「………。」
殿様「お!図星か??(笑)
ああ、可哀想にそんなに震えて。今すぐ楽にしてやろう。
行け」
殿様の命令で後ろの武士達が一斉に襲いかかる。