テラーノベル
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朝、目覚めると腕に柔らかい感触。
カイリュウの頬が腕に乗っている。
カーテンの隙間から差し込んだ光に照らされた、 無防備で、愛おしい寝顔を眺めた。
起きてしまう前に、髪を撫でた。
カイリュウと一晩一緒にいたという現実を噛み締める。
幸せだ。
このまま時間が止まればいいのに。
目にかかる長さの髪を耳にかけ、その手で頬に親指を滑らせた。
「…っ…ん、…」
カイリュウがぴく、と反応して、目を覚ました。
「…おはよ、かいりゅう、」
「ん……、っ、おはよ…」
目をゆっくりパチパチさせながら、まだ少し寝ぼけ眼のカイリュウ。
「……眠れた、?」
「……ん、らんは、?」
「うん、眠れたよ、…かいりゅうが、隣にいて嬉しい、」
遠慮をせずに、カイリュウを抱きしめる。
触れても、押しのけられなかった。
心地の良さを、感じてくれている気がした。
しばらく、静かに抱きしめられているままのカイリュウ。
まだ眠たいのか、そう思っていると腕の中で声が聞こえだす。
「……らん、」
「ん、?」
「……んーん。……なんでもない、」
そう言うと、俺の胸に顔を埋め、背中に手を回してきた。
いつもならとっくに離れているのに、今まで見た事ない、甘えているようなカイリュウに心臓がバクバクと音を立てる。その音が聞こえてしまうくらい、ぎゅ、と強く抱き締め返した。
昨日の夜、同じベッドに入ってから、眠りにつくまで、その時間に漂った甘い空気が、ずっと続いていた。
ずっとこうしていたい。このまま、この空気を壊したくない。
でも、今日も仕事が待っている。
「……そろそろ、起きんとね、」
「……起きたない、」
「っ…//…かいりゅう、どうしたの、かわいいんやけど…っ、」
「っ……うそや。もう起きる、」
珍しく照れもせず甘えてきたのに、俺が可愛いと言うとどこか拗ねたような言い草でそう言ってリビングに向かった。
そんな様子が気になって、カイリュウの後を追うようにベッドから降りた。
リビングに行くと、スマホを眺めているカイリュウ。親指を画面の前で行ったり来たりさせている。
ふと、その仕草が気になって、後ろから近づく。
「……何見てんの。」
後ろから抱きしめて、肩に顔を乗せた。
「っ、!!びっくりしたー…」
よほどびっくりしたのか、肩がビクッ!と上がる。
その様子に笑いながらも、目に飛び込んだカイリュウのスマホの画面に息が止まりそうになる。
『おはよう。今日はよろしくね。』
たっくんからのライン。
そこに、返事をしようとしているところだった。
そうだ、今日は2人でのスケジュールが入っていたんだった。
最悪だ。
何の変哲もないシンプルなライン。
ひとつも下心を感じさせない。
その余裕に、嫉妬心を駆り立てられる。
なんでそんな、大人なんだよ。
手を伸ばして、スマホを持つカイリュウの手に上から手を重ねて、文字を打った。
「っ、え、ちょ、おいっ、!ラン、!あっ…」
『よろしくね。変なことすんなよ。』
送信。
「ちょっ…ラン、何送ってんねん、!」
「カイリュウ、早くせんと遅刻するよ。」
「っ…、」
俺の言葉にそのままスマホをポケットに入れ、家を出る準備をし始めた。
***
(TAKUTO視点)
今日は朝から、カイリュウと2人でのスケジュールが組まれていた。
カイリュウとは、水族館に行った日以来、会えていない。
あの日から、ずっと、カイリュウとずぶ濡れになって笑い合った時の顔や、水槽の前でのあの時間の事が頭から離れない。
『好きだ』
『好 | 』
『おはよう。今日はよろしくね。』
好きだ、と打った文字を消して、当たり障りのない文章を送信した。
出かける準備をしていると、スマホが振動する。
『よろしくね。変なことすんなよ。』
「……は、?」
まるでランが言いたそうな文章。
……ランか。
こういうことし出すほど、あいつも余裕がない証拠だ。
なんで余裕ないんだよ、俺といても、お前からの電話ひとつで空気が一変するのに。
お前は堂々としてろよ。
動くのは、俺だけでいい。
ラインを既読にして、返信しないままスマホをしまって、仕事に向かった。
***
移動車に乗り込み、1番後ろの席に座る。
程なくして、カイリュウが乗ってきた。
「カイリュウ、おはよう」
「…おはよ、たっくん、」
俺の隣に少しぎこちなく座ると、すぐさま口を開いた。
「…たっくん、あのさ、」
「ランといたんだ?」
「っ、え、なんで…?」
「わかるよ。ランの匂いするし。」
「っ…/、や、あのさ…朝送ったライン、」
「ああ。(笑)変なことって、なに?」
「っ、それ、ランが勝手に送ってん、俺も知らんわそんなん!」
「あーそうなんだ。俺何を期待されちゃってんの?(笑)」
ラン、あれは煽りにしかなんねぇよ。
「…いや、ごめん、変な感じなってもうて…許したってや、?」
「許す?」
許してやって?
は、意味わかんない。
なんでランの肩を持つんだよ。
俺にあんなに、笑ってくれたじゃん。
あの時、確かに、俺を見てくれたのに。
車が出発し、カイリュウが動くと微かに香るランの残り香にイライラした。
「……許す、ねぇ。」
「……っ、ちょ、たっくん…?」
自分の感情を、腕を組んで抑えながらも、 カイリュウの肩に顔を乗せる。
俺が無言でしばらくそうしていると、怒ってると思ったのか大人しくされるがままのカイリュウ。様子を伺うような口ぶりで話をしてくる。
「っ……寝るん、?」
「んー、わからん。寝て欲しい?」
「いや、…そうやないけど、」
「何されるかわかんないから?(笑)」
「っ、や、やからそれは……っ、」
車が曲がると同時に、車体が横に揺れる。
その揺れで、近づいた距離。
ランの匂いが、鼻をかすめた。
その瞬間、苛立ちを抑えられずに、顔を横に向け、カイリュウの首にちゅ、とキスをした。
びくっ!と跳ねるカイリュウの肩。
「/っ、!はっ、?…え、今、なにっ、…」
「……あ、ごめん。…当たっちゃった。」
「〜っ…、」
動揺を隠せていないカイリュウ。
もっと動揺してよ、揺れて、俺を見て。
「っ……離れろや、」
「なんで?」
「…っ…なんでって、…なんでもや、」
「急に冷たいじゃん」
「…っ…、遊ぶなや、俺で、」
「遊んでないよ」
「も、なんやねん…っ、…どいつもこいつも、」
「……カイリュウ、?」
少し様子がおかしくて、身体を離してカイリュウを見た。
「っ……なんでもあらへん、大丈夫やから、…ごめん、」
「大丈夫じゃないでしょ、」
「……、」
手を握ると、黙ったまま俯く。
その姿に、動揺した。
さっきまで、揺れて欲しいと願っていたのに、カイリュウの表情ひとつで、すぐに苦しくなる。本当に勝手だな、俺は。
「カイリュウ、?…ごめん。」
「っ……謝るなら、やんなや…っ、」
「うん、ごめんね、」
「っ……もう遅いねん、」
珍しく取り乱すカイリュウに、内心不安になる。
カイリュウの表情は、ひどく混乱しているように見えた。
コメント
4件

メロ縁さんんんん😭 かいりゅうもたっくんも感情が色々で見てて面白すぎる🥺かいりゅうはらんきちを選ぶのかたっくんを選ぶのか…🤔次も楽しみにしてます‼️
ん??????????????????いや尊いのはとりま置いとこうなんなこれは私なんか過去を持ってるんじゃないかな??????????????それとも2人がくっつきすぎて疲れてきた、とか?まぁ私のゴミな予想は捨てときますわ😊続き楽しみー!!!!!もう可愛いかいりゅー見れるのが終盤になってきてるのが寂しいです😭😭