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椎名遥陽~はるひ~
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「――おい工藤! 待たせおって、一体どこで油売っとったんや!」
新一と待ち合わせをしていた米花駅の改札前。人混みの中から現れた新一の姿を見つけるなり、服部平次は大声を上げて歩み寄った。
「わりぃわりぃ、ちょっと資料の整理に手間取ってさ」
「ったく、せっかくオレがわざわざ大阪から難事件の相談にきてやったってのに……って、ん? んんん!?」
文句を言いながら新一の肩に腕を回そうとした平次だったが、その動きが、まるで時が止まったかのようにピタリと凝固した。入ってきた新一のすぐ後ろから、全く同じ顔、同じ体格、同じ佇まいをした少年が、ポケットに手を突っ込みながら飄々とした足取りで続いて歩いてきたからだ。
「……耳元で大声出すなよ、平次。相変わらずうるさいな」
「……は? え? く、工藤、お前……え!?」
平次は何度も目をこすり、右側の新一と、左側の少年を交互に指差した。髪型の分け目や服の好みにわずかな違いはあるものの、顔のパーツも、生意気そうな口元も、鏡に映した工藤新一そのもの。おまけに、声質まで寸分違わず同じである。
「な、なんやこれ……! オレ、ついに疲れすぎて幻覚でも見え始めたんか!? 工藤が……工藤が、2人に分身しとる!!?」
平次はあまりの衝撃に愛用のキャップをガバッと脱ぎ捨て、改札前で周囲の通行人が振り返るほどの大声を上げた。
「大げさだな。幻覚じゃねーよ、服部」
新一が呆れたようにため息をつくと、隣の少年――翔が、平次が放り投げたキャップを空中でサッとキャッチし、不敵にニヤリと笑った。
「初めまして、服部平次くん。工藤新一の双子の弟、工藤翔。……新一から話はよく聞いてるよ、大阪のせっかちな探偵サマ?」
翔が手品のような鮮やかな手つきで平次の頭にキャップをポンと戻すと、平次は口を金魚のようにパクパクさせながら、新一の胸ぐらを掴んだ。
「双子ぉ!? おい工藤、聞いてへんぞ! お前、自分にこんなそっくりな弟おったんか!」
「いや、色々事情があってさ……。話せば長くなるから、とりあえず場所変えようぜ」
新一と翔は顔を見合わせ、全く同じタイミングで苦笑いする。そのシンクロした一連の動作を見て、平次は
「うわ、息ピッタリやんけ……」
と未だに冷や汗が止まらない様子だった。
コメント
5件
はよ寝て下さい!(お前が言うな)
わあ、双子登場は予想外でした! 新一そっくりの翔くん、飄々としたキャラでめっちゃ気になる…。平次の大慌てっぷりがツボすぎて声出て笑いました(笑)。シンクロする苦笑いとか、もうこの2人ずるいです。これからどんな事件が待ってるんだろう、続きが楽しみです🖤