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───屋上で
「ねえ、昨日って結局どうなったの?」
夏目は屋上に着くとすぐに昨日のことについて聞いてきた。
「あー……昨日はあの後兄にされたことが嫌だから離れたいって伝えて、、ちょっと喧嘩したけど高校卒業後すぐに出ていく話でまとまったよ。」
「………なるほどね。俺は冬夜がずっと心に溜めていた黒い気持ちは何か気になっていたけど、そういうことだったんだね」
夏目に全て見通されていることは冬夜にはわかっていた。ただ冬夜は兄のことまでは夏目に知られていないと思っていたが、夏目は冬夜が兄に対して感じている黒い感情を何となく察していたらしい。
「…………わかってたんだね。隠してたつもりだったけど」
冬夜がそうつぶやくと、夏目は静かな口調で
「まあ、いじめだけが原因ではなさそうだったからね。いじめられたら大体の人がいじめてきた方を恨みそうだけど、冬夜は人に合わせていたから別にありそうだなって思ってね。」
「………なるほど……夏目さんはよく人を見てるんだね。」
「まあ……昔色々なものを観察してたからね」
「そうなんだ………」
夏目が全てを見透かすような目をしていたのは冬夜の気のせいではなく、夏目の観察する目だったと冬夜は初めて知った。
「そういえば冬夜って高校卒業後って就職するつもりなの?」
夏目は思い出したように冬夜に聞いた。
「いや、兄が大学には行って欲しいって言ってたから大学には行くつもり。」
「そうなんだ……どこの大学行くの?」
「………○○大学。アニメを作りたいから。」
「なるほど……俺は△△大学に行くんだけど、冬夜の希望大学と近いね。」
「たしかに。べつの大学いったとしても仲良くしたいな……」
自分の話を聞いてくれた夏目とあと1年ほど経ったら離れてしまうのは冬夜にとっては寂しく感じ、何も言えなくなってしまった。夏目も同じなのか、お互いに黙ってしまい沈黙が続く。
暫くして、夏目が冬夜の方を向いて
「……………もし、冬夜が良ければ俺と、、一緒に住まない?」
と聞いてきた。
「え、え?なんでいきなり……?」
冬夜は突然のことに驚いて、間の抜けた返事になってしまった。
そんな冬夜を見て夏目は
「ごめん 、。いきなりだったよね。」
「いや、それは別にいいんだけど、なんでそんなことを突然言うのかなって……」
「…………冬夜が好きだから。大学が違うだけで離れたくない。」
「へ??」
突然の告白?のようなもので冬夜はすっとんきょうな声を出してしまう。
夏目は冬夜が驚いている様子を見ながら続けて、
「出会った時から、惹かれてました。こんな俺でよければ付き合ってください」
と言った。
冬夜はまた、すっとんきょうな声で
「え、??ぼ、僕でいいんですか??」
と、答えた。そんな冬夜を見て夏目は笑って
「冬夜だからいいんだよ」
と答えた。
コメント
3件
いいなぁぁ…幸せになれよォ😭