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涼架side
走った。ひたすら走った。
雨に濡れながら。
靴も水溜りのせいでどろどろ。
『はぁッはぁッ…ゲホッ…はぁっはぁっ……ッ泣』
いくら普段から走っているとはいえ、
ずっと全速力で走るのはキツイ。
街行く人には怪訝な目で見られている。
顔を濡らす雨が、なんだか少ししょっぱい気もした。
無我夢中で走って、病院に着いた。
全身雨でぐしょぐしょで、足もガクガク。
待合室の人たちからも気まずい視線を浴びたが、
受付前で倒れ込んでしまった。
<藤澤さん?!こんな中…?!とりあえず裏に…!
『はぁっ…ゼェッ、はぁッ……も、とき…、会わせて……泣』
<大森さんに?…着替えてからにしましょう?
『っフルフル、』
『いま、ッはぁっはぁっ……会いたい、んですっ…泣』
『すぐっ…会わせてぇッ…泣 おねがぃします…ッ…泣』
<藤澤さん…、、
<分かりました…タオルだけお持ちしますから、そうしたら大森さんのところ行きましょう?
『っはい、泣』