「…」
「前も、2人で海に来たことあるわよね、」
「うん、そうだったね」
後ろの方から騒がしい声と足音が聞こえてきた。
「え、本当にいんじゃんw」
「…..え、?どうして?」
「ウケるw」
雫の顔が青ざめていき、体が震えている。
「きゃっ!」
雫が海の方に押し倒された。
服が濡れている。
「や、やめて…!」
「雫…..」
雫は俯き、泣いている。
意地でも私を頼ってくれない。
クラスメイトは楽しそうに笑いながら雫をいじめている。
私はそれを眺めている。
もうダメそう。
雫は…もう、、
いじめ終わったみたい。皆が帰っていく。
「雫…」
「遥ちゃん…..私もう、、、」
雫が大声で泣き出した。
私はそんな可哀想な雫を抱きしめた。
雫は私を抱き返してくれた。
とても細くて、冷たくて、震えている。
雫にはきっと私しかいない、はず。
「雫…私がそばにいてあげるね、、」
「…ありがとう、遥ちゃん」
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私は濡れている雫の手にそっと口吻をした—