Winter _ 煌めく電飾の花束を
start
『 負 け ヒ ロ イ ン 。』
この世界は 、どうしてこんなにも
残酷な言葉を作ったのだろうか 。
そんな気づきたくも無いことに 、
気がついてしまった 。
気づかされてしまった 。
「 … さっむ 」
カレンダーが12月に変わって 、
街はクリスマス色に染まっていく 。
辺りはイルミネーションやネオンの光が
眩しいくらいに溢れている 。
「 クリスマス 、かぁ … 」
そう呟いて 、頭の中に浮かんだのは
幼馴染の彼奴
「 なんで 、彼奴がでてくんだよ … 」
男子の割に可愛らしい顔立ちで
負けず嫌いで 、子どもっぽくて
悪口ばっかだけど 、ほんとは優しくて
笑顔が太陽みたいに明るい 。
その笑顔があまりにも暖かくて
冷たい雪も溶けてしまいそうだ 。
じゃあ 、この笑顔は 、?
私の見慣れた眩しい笑顔とは
何かが違う笑顔
あの子と彼奴が話していた時 、
私は見てしまった 。
彼奴が少し照れながら俯いて
恥ずかしそうに 、
そして
それ以上に嬉しそうな笑顔をしていたこと
あまりにも眩しい笑顔だった 。
嗚呼 、私の恋は溶けて無くなったんだ 。
彼奴があの子に向ける笑顔に照らされて
溶けて白い世界に滲んで消えたんだ 。
幼馴染という肩書きに頼りすぎていた 。
幼馴染だからって 、油断しすぎてたんだ
ずっと近くに居てくれるって
勘違いしていた 。
私はヒロインなんかじゃない
好きな人を盗られた
惨めな “ 負けヒロイン ” なんだ 。
そんな眩しい笑顔をみたら
そんな笑顔を知ってしまったら
私の恋は溶けて消えちゃうよ 、
それが私に向けられたものじゃないのなら
それが私に向けられた笑顔じゃないのだから
いつもは目が眩ん出しまう様な
煌めき輝く イルミネーションも
貴方の笑顔には劣っていて
今は眩しく感じない 。
イルミネーションの光が
ぼやけて滲んで 、 泣いている 。
ねぇ 、
日向 、もし私が気持ちを伝えたら
君は困った顔をするのかな
この光が眩しいと思えたあの頃に
戻れたなら 、
どんなに幸せでしょうか 。
きっと 、
君が優しく私の名前を呼ぶ声も
今はもう、眩しすぎて見えないだろう
ねぇ 、「 日向 」、気持ちを伝えた後も私のこと
「 みこ 」って 、
君の名前にぴったりな
太陽みたいな笑顔で呼んでくれるかな
fin.
・作者の独り言・
今回は” 負けヒロイン “を題材にしたお話
電飾とは 、イルミネーションのこと 。
イルミネーションを見る度に
好きな人のことを想い出して
イルミネーションが綺麗に見えない
と言う女の子が主人公のお話
私の書いてる物語の1つの関連小説です
メリークリスマス
今日が素敵な日になりますように 。
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