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※質問と相談の間?ちょい重くなるテーマなのでさらっと。
「家に帰るのがしんどいです。言ってもいいんでしょうか?」
蓮司
「さて、おつぎはちょい重めのテーマです」
「“家に帰るのがしんどいです。
親に心配かけたくないけど、本当はずっとしんどいままです。
こういうの、言っていいんでしょうか?”――高1男子より」
日下部
「……オレ、ちょっとわかるかも」
「“心配かけたくない”って気持ち、ずっとあった」
「親が仕事で疲れてるの見てると、自分のこと後回しにしなきゃって思って……
でも、言わなかったことで、あとから余計しんどくなった」
蓮司
「“家に帰るのがしんどい”って思える時点で、
その家ってもう“安全圏”じゃないんだよね」
「で、それを“言っていいのか”って考えなきゃいけないこと自体が、たぶん間違ってる」
遥
「……オレは、“言ったって意味ねぇ”って思ってた」
「言っても、どうにもならなかったから。
だから、“言わない”ことが自分の防衛だった」
日下部
「……でも、遥、オレには言ってくれたよな。少しだけ」
遥
「……あれは、
“言った”っていうより、
“こぼれた”だけだ」
蓮司
「人に言うときって、
“助けてほしい”って気持ちがあるときだけじゃなくて、
ただ、黙ってると壊れるってときもあるからね」
日下部
「……“言ってもいいんでしょうか”って、
本当は、“誰かに聞いてほしい”ってことなんじゃないかな」
遥
「言ったって何も変わんねぇかもしんねぇけど、
言わないと、もっと変わんねぇよ」
(少しだけ、視線を落としながら)
蓮司
「言葉は無力だけど、
沈黙はもっと無力ってこともある」
日下部
「……たぶん、今こうやって誰かの言葉を読んでる時点で、
その“誰か”はもう一人じゃないと思うよ」