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※質問と相談の間?
番外編:「このままの自分で、大人になれる気がしません」
蓮司
「はい、本日ラストの質問はこちら」
「“このままの自分で、大人になれる気がしません。
将来とか夢とか、みんな普通に考えてるけど、
自分には何もないって思ってしまいます”――中3男子より」
日下部
「……うん。
“夢がない”って、焦るよな。
なんか周りがしっかりしてるように見えて、
“自分だけ取り残されてる”感じがして」
遥
「……大人になっても、大人になれるわけじゃねぇよ」
「“何もない”まんま、生きてるやつ、いっぱいいる」
「オレだってそうだし。
……つーか、“何かある”やつの方が怖い」
蓮司
「うんうん、そういうやつってだいたい途中で折れるしね」
「“絶対これで生きていく”って言ってたやつが、
気づいたらサラリーマンになってたりする」
「オレ? 夢? ……今朝食べたパンの名前も覚えてないのに?」
日下部
「でも……何か目指さないといけないような気持ち、
消えないんだよ」
「“何者かにならなきゃ”ってずっと思ってて、
でも、“なれる気がしない”って苦しくなる」
蓮司
「そういうの、“現実”って言うんだよ」
「でもさ、いいんじゃない?
“なれる気がしないまま”大人になって、
そっからもずっと、なんとなく生きてる人間、
世の中には無数にいる」
遥
「“夢がない”ことを責めんな」
「“何もない自分”が、
誰かに迷惑かけてるわけでもねぇなら、それでいいじゃん」
日下部
「……そう、かな。
でも、やっぱ怖いよ。
“空っぽなまま”時間だけ進んでくのが……」
蓮司
「だったら、ときどき誰かの“まね”して生きるのも、悪くないよ」
「マネでも、寄り道でも、迷子でも、
全部“将来”ってことで片づけられる年齢、まだ終わってないし」
遥
「……“自分が何者かになれるか”より、
“今、誰でいるか”の方が大事だと思うけどな」
(いつもより少しだけ素直な声で)