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マドレシスと18の厄災

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マドレシスと18の厄災

第12話 - 第12話　真反対ブラザー

4

2024年08月26日

#神話

#兄弟

#裏切り

#シリアス

#初投稿

伊琉夏

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伊琉夏

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神殿の広場が依然として暗黒に包まれる中、マドレシスは奥底で決意を新たにしていた。エリオスの裏切りという衝撃的な真実に直面し、彼には一層の焦燥感と怒りが湧き上がっていた。その時、戦いの暗闇の中から新たな運命が訪れる。

マドレシスは暗闇の中に立ちすくみ、兄の顔が浮かんだ。彼の目の前には、まるで影から現れたかのような姿があった。それは、神々の世界でマデスと呼ばれる存在。彼の兄であり、そして神々の座を巡る長い戦いの宿敵でもあった。

マデスはその冷徹な眼差しで、マドレシスに語りかける。

「ついにこの時が来たか、マドレシス。エリオスの裏切りを受け入れ、すべてを終わらせる時が。」

マドレシスはその言葉に驚き、混乱を隠し切れなかった。

「兄よ、なぜこんなことを？お前もエリオスの計画に加担していたのか？」

マデスの冷たい笑みが広がり、彼の姿が一層際立つ。彼の目には、過去の戦いと兄弟の誓いが交錯する。その目の奥にあるのは、ただの冷酷さではなく、複雑な感情の深層だった。

「お前には分からないだろうが、私には私の理由がある。」マデスの声には、微かな悲しみがこもっていた。

「この世界を再構築するためには、過去の神々を超えなければならなかった。」

マドレシスはその言葉に、ただ一つの問いが浮かぶ。「本当に正しいか？その理念が、神々や、我々にとって正しいことなのか？」

マデスはその問いに答えることなく、冷徹な目でマドレシスを見つめた。「その答えは戦いの中で見つけるしかない。今はただ、戦いを挑むしかないだろう。」

マドレシスの手が自然と剣に触れ、その感触が戦いの決意を再確認させた。彼は深く息を吸い込み、瞳に決意の光を灯してマデスに向き直る。「ならば、戦うしかない。兄よ、私の信じる道を証明するために。」

戦いが始まると、神殿の広場は二人の激しい衝突で揺れ動いた。マデスの力強い攻撃と、マドレシスの巧みな防御が繰り広げられ、空気が一層緊迫感を増していく。マデスの力と知恵、そしてマドレシスの勇気と決意がぶつかり合う中で、広場には戦いの轟音が響き渡った。戦いが激しさを増す中、マドレシスは兄マデスの強大な力に圧倒されつつも、その一方で深い理解を得ることができた。マデスの信念と理念がいかに強固であっても、苦悩や葛藤は変わらなかった。

「お前も、結局はただの神に過ぎない。」マドレシスが言う。「信じるもののために戦い、変わり続けるだけの存在だ。」

マデスはその言葉に対して微笑みながらも、戦いを続ける。「私も過去を超えるために戦っている。我が道を理解する日が来るだろう。」

広場に広がる戦闘の中で、二人の姿は互いの信念を証明するかのように、力強く戦い続けた。彼らの戦いは、単なる力の衝突ではなく、信じるものと信じるもののぶつかり合いであった。

戦いの終息を迎えた時、マドレシスは血と汗にまみれながらも、兄に対する複雑な感情を抱えていた。彼の目には、ただの勝利ではなく、未来への決意が映っていた。

「これで全てが終わったわけではない。」マドレシスが言う。「兄よ、私たちが選んだ道が正しいかどうか、未来に示してみせる。」

マデスはその言葉に静かに頷き、マドレシスに向かって最後の言葉を送る。「それが我が望みだ。未来に向けて戦い続けるがいい。どちらの道が正しいかは、時間が教えてくれるだろう。」

二人の兄弟の間には、戦いを通じて互いに理解し合いながらも、異なる信念を持つ者同士の深い葛藤が広がっていた。広場に残されたのは、彼らの信じる未来への希望と、戦いによって得られた新たな決意であった。