⚠️オリキャラ注意⚠️
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咲楽と善逸は、嬉々として東門に走って向かった。そして、門を通り抜けようと校門の前に立った時、通常では有り得ない人物がいたのだ。
…正門にいるはずの、冨岡義勇がいた。
「お前たち…1時間も遅刻している…なんのつもりだ」
「は?え?」
冨岡先生はいつも無表情だが、今回は違っていた。目つきこそ何も変わらないが、よく見ると眉毛がつり上がっていた。あと、なんだか怖いオーラがする。
数秒固まっていた善逸が、ようやく口を開く。
「ととと冨岡先生こそなんで東門にいるんですか…いつもは…正門…に…さぁ…」
「どうせお前達は俺がいつも正門にいる裏をかいて東門から来ると思っていた。だから裏の裏をかいて東門に待機していた」
まさか、こちらの思考が読まれていたとは。
「え、えーと、先生、私たちはその…ただ訳もなく遅刻したわけじゃないんです!!」
「そうですよ先生!俺達は意味もなく遅れたわけじゃないんですよ!」
「言い訳はいいから、謝罪と、反省文を書け」
そこで私は、隣にいたはずの後輩の気配が無くなったことに気づく。
もう隣に善逸の姿はなかった。遠くを見やると、もう善逸は正門に向かって一目散に走り出していた。
「ぜ…善逸くん!?」
「咲楽ちゃんも、逃げた方がいいよ!反省文なんか書かされるよりマシだからね!」
「え、あ…え…?」
困惑してその場に立ちすくんでいると、肩に何かが触れた感触がした。まさかと思い振り返ると、そこには鬼の形相(というか怖いオーラ)の冨岡先生が私の肩に片手をのせていた。
「柊。我妻のように逃げなかったのは褒めよう」
「いや、普通は逃げないと思いますよ。普通は」
「それに…正門に逃げたところで今日はもう1人の見張りがいるからな」
「え?あ、もしかして鎹鴉…」
「…では柊。今から職員室横の生徒指導室に来るんだ…。遅刻理由の言い訳ぐらいは聞いてやろう」
「うぅ…はい…」
冨岡先生がスタスタと歩きだし、咲楽は目の前の教師の背中を追いかけた。
一方その頃。
善逸はあと少しで正門に着くところだった。
「冨岡先生は…よしっ!来てない!行けるぞ…これ!」
完全に油断しきった善逸が、正門の目の前に飛ぶようにして行くと…そこにも通常では有り得ない人物がいた。
「我妻ァ…1時限目に俺の数学があるってんのに何遅刻してんだコラァ…」
「ヒィィィィ!しなっしっ、不死川先生!?」
「あンの冨岡に見張っとけって言われたからな。仕方ねぇが俺の授業に遅刻する輩は許さねぇからなァ」
目の前にいる不死川先生からは、とんでもない圧と怖いオーラを感じる。その顔も、目は極限まで吊り上がり、完全に鬼みたいな顔をしていた。
そして、善逸はなにか嫌な雰囲気を感じた。
生徒指導・冨岡義勇に並びキメツ学園スパルタ教師である数学・不死川実弥に鉢合わせた、ということは…
不死川先生は過去にも補習時にプリントを400枚も寄越してきたことがある。しかも、走りながら解けなどと、とんでもないことを言われた。まさか、今回もそのようなことがあるのでは……
つまりこの状況の最適解は……
「ごめんなさい、先生!俺としたことが、朝からお腹が痛くて、トイレに篭ってたんです」
謝罪をした上で遅刻理由(虚偽)を述べる。こうすることで信憑性が上がり、許しを貰えると思ったのだ。
だが、それは怒りに満ち溢れている不死川先生には通用しなかった。
「はァァ!?まさかァ、遅刻した上に授業にも来なかったくせに言い訳するつもりかァ?チッ、」
「そそそそそんなわわけなないいですよよよ」
「黙れェ!我妻、テメェには罰を与えてやる!!」
「はい!?」
すると突然大量の紙が善逸の体を覆い尽くした。
「モゴッ……」
「オラァ我妻ァ、今日中にこのプリント100枚終わらせねぇと……覚悟しとけよォ」
「モゴ、、(はい……)」
そのプリントの量は、絶対に100枚は超えている量だった。
その後咲楽は冨岡の監視の下反省文を書かされ、善逸は全ての時間をプリントを解くことに裂き、友人の炭治郎の力も借りて何とかプリントを終わらせたのだった…