裏路地を重点的に探してみることにした
この街は入り組んでいる通路が多く、人目につかなさそうな場所が沢山ある
hr「見つかんねぇな…」
軽く2時間は歩き回っていたので足腰に疲労が来た
近くにあったベンチに腰かけて少し休憩することにした
hr(仲間が消えてしまったってのに…俺は…俺は…)
??「あの、大丈夫か?」
hr「えっと…?」
??「顔色が悪そうに見えたから…。Σ国の者なんやけど…」
hr「あ、Σ国の!ご無沙汰してます!」
??「そんなかしこまらんでもw」
hr「一応目上の人になるので…」
??「確かにそうやけども〜…」
声をかけてくれたのはΣ国の幹部の人だった
俯いていて顔を見ていなかったため気づくのが遅れた
??「それで…何かあったん?」
hr「えっと…実は…」
??「なるほどな…」
hr「今探し回ってるんですけどなかなか…」
??「まぁそう簡単にいかんよな…」
hr「はい…」
??「なんか今日持ってた持ち物とか覚えてないんか?」
hr「街に買い物ってことはメモを持って行ったはず…。あと持ち物って訳では無いけどあいつは眼鏡をかけてます」
??「…ってことは」
hr「どうかしました?」
??「いや、さっき見つけたんやけど…」
そう言うとポケットから何かを取りだした
どこかで見たような気がした
??「路地裏に落ちててん。眼鏡と…これはおつかいメモ?」
hr「あの、詳しく見せてください!」
??「おう…ええよ」
その二つを手渡されまじまじと見つめる
このメモは定規で線が引かれている…彼奴の癖だ
几帳面な性格があるため書類には定規を使って線を引いたりなどと細かいところに真面目なのだ
それにこの眼鏡…
フレームに金色の文字でMと書かれている
間違いなくこれは彼奴の物だ
hr「どっちも彼奴のです…」
??「そうか」
hr「早く全員に共有しないと…!」
??「おう、行ってき」
hr「ありがとうございます!」
??「別に大した事はしてへんよ」
hr「そんなことないです!ようやく手がかりを掴めたんですから!」
??「確かにそう考えると助けになったんかもなw」
hr「ではもう行きますね」
??「はよ助けたるんやで」
hr「わかりました!」
そう大声で告げると、俺はこの場を去った
それと同時に俺を除いた六人の幹部のインカムを強制的に繋げた
hr「全員聞こえるか?」
kyu『聞こえてます!』
hr「いろいろと手がかりが見つかった。全員に共有したいから1度基地に戻ってきて欲しい」
yu『了解です』
tk『情報班からも伝えたいことあるから覚えといて』
so『了解っす!』
そうインカム越しに全員に伝えると接続を切った
眼鏡とメモを持ち、急いで基地に戻った
hr「全員いるか?」
km「集まっとんで」
hr「じゃあ早速だが情報を共有していく」
tk「わかった」
hr「北の街で捜索中に他国の幹部の人と会ったんだ。その時にこの二つを渡されて…」
そう言い、目の前の机に眼鏡とメモを置いた
hr「幹部の人が見つけたらしいんだけどどっちも彼奴の持ち物だと思うんだ」
ymd「証拠があるん?」
hr「メモの方は彼奴の癖が出ている。線を引くときに定規を絶対に使うとか字体も何となく似ている気がする。眼鏡はフレームに金色でMって書いてあるんだ」
kyu「眼鏡のやつって確かにうたくんのだ…」
km「そうなってくるとうたくんのやつで間違いなさそうやな」
tk「あ、俺からも追加情報」
so「なんすか?」
tk「ここ数年でM国と何か揉め事とかがあった国を調べてたんだけど、一個可能性として有り得る国が出てきたんだ」
hr「それは…?」
tk「δ国なんじゃないかと思ってる」
yu「あそこの国の幹部達は気性が荒いで有名ですから…」
ymd「ちょっと前にあそこにお願いされた条約断ったことあるんよ。やからその報復として彼奴に危害を加えたんちゃうんかな」
kyu「そんな…」
hr「だとしたら彼奴が危ないな」
yu「出来れば早めに行った方がいいでしょうね」
hr「全員δ国に乗り込む体制を取ってくれ」
「「「「「「了解!」」」」」」
全員が準備を始めた
今回は軍隊を引き連れるわけではなく主に幹部だけで行うことになった
大勢で押しかけると相手に位置や行動がバレて彼奴の命が今より危険になる可能性がある
δ国にいるとしてもいないとしても…彼奴のことを傷つけないように…
コメント
3件
なんかもう会話がカッコ良すぎてwおいもう最高かよ!うたくんおつかいメモに線引く癖ちょっと可愛いwはるさんも、その情報と落とし物をもらった後すぐ、共有するとこやっぱりしっかりしてるなぁ〜って思ったね!投稿お疲れ様です♪続き楽しみにしてます!!無理ない程度で!休みもとってください!頑張りすぎはNGで!