コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
ルビー 「おい…これ…」
朱璃 「いくらなんでも冗談…きついって、」
全速力で人里に向かったルビーと朱璃は目の前の光景に唖然とした。
人里ならキラと紅葉の喫茶店が1番だろうと思い店に飛び込んだ。
いたのはキラ、ザキ、紅葉の3名。
だがその内2人の様子がおかしい。
キラは不気味な笑みでザキに蹴りを繰り出し、それを困惑しながらも受け止めたザキに今度は紅葉の刀が向かう。
ザキ 「くっそ…こいつら…!なんで急に!」
ザキも仲間だからか思うように攻撃ができず、一方的に防御しているだけだった。
紅葉の刀まで手が回らないザキ。寸前で朱璃が割って入りなんとか受け止める。
ザキ 「!朱璃さん!」
朱璃 「ザキくんこれどーゆーこと!?」
ザキ 「わからないんです!変な匂いがして俺は息を止めたんですけど、暫くしたら突然こいつらが暴れ出して…」
ザキはキラを飛ばし、朱璃は紅葉の刀を抑え、距離を取る。
ルビー 「変な匂い…俺らが森で感じたものと同じか、」
ザキ 「おそらくそうだ。」
朱璃 「なんだろう…洗脳系の能力とみたほうがよさそうだけど…」
ザキ 「おいルビー、お前、覚えがないか?似た状況に。」
ルビー 「…だな。あまり思い出したくないが」
朱璃 「え?」
ルビザキ「「暴走化」」
朱璃 「暴走化?」
ザキ 「朱璃さんも聞いたりしませんでしたか?元々ルビーは敵側で、幻想郷を破壊しようとした人物。その時ルビーが行ったのが暴走化です。」
朱璃 「!紫霊から聞いた!身体能力やスペルの威力が上がって私たち仲間を攻撃してくるって」
ルビー 「ざっくり言えばそうだな。だが俺の暴走化は俺本来の能力の派生のようなものだから不便な点も多かった。こんな、煙だけで同じ状態を作れるなんて…」
朱璃 「黒幕は…」
ザキ 「……う、」
朱璃 「ザキくん?」
キラと紅葉を相手しながら朱璃はザキの様子がおかしいことに気づき声をかける。
ザキ 「朱璃、さん…すみません……言い忘れてたことが…」
朱璃 「どうしたの?」
ザキ 「俺、息止めたんですけど、反応が、遅れて…少し、煙、吸い込んだかもしれません…」
朱璃 「ちょっと待って…?ザキくん!」
ルビー 「チッ…」
ザキ 「朱璃さん、幻想郷全体で同じことが起こってるならキラと紅葉だけじゃ済みません。ルビーと貴女がいる今、俺に構ってる暇はない。」
朱璃 「だからどうしろって…」
ザキ 「俺にスペルをぶつけてください。できるだけ火力を強くして」
朱璃 「は!?なんで…っまさか、」
ザキ 「朱璃さんのスペルは持続力があります。全体の騒ぎが収まるまで俺が再起不能になっておけば、後から戦闘になっても対処できます。」
朱璃 「っルビー…」
朱璃は迷うようにルビーに助言を求めた。
ルビーは険しい顔のまま、朱璃に言う。
ルビー 「…氷柱、やれ」
朱璃 「…死ぬんじゃないよ」
ザキ 「朱璃さんにこんな顔させたまま死ねませんよ。全力できてください。」
朱璃 「絶対、約束だよ。【毒符 澱香雪華】」
ザキ 「ぐっ!う、頼みましたよ、2人とも」
バタッ
ザキが倒れた。紅葉とキラはルビーの手刀で気絶する。同時に朱璃の体に異変が起き始めた。
朱璃 「…うっ!、くっ!はぁ、はぁ…!」
ルビー 「?氷柱!」
朱璃 「なに、これっ…!体が、軋んで…うっ、あぐっ、!うああ!!」
ルビー 「落ち着け氷柱!(なんだ、何が起きてる?)」
朱璃 「うっ、ふぅ…ふぅ……え?」
ルビー 「落ち着いたか?大丈…どうした?」
朱璃 「…ル、ルビー」
ルビー 「なんだ」
朱璃 「私の能力って、毒を操る程度の能力だよね?」
ルビー 「そうだ」
朱璃 「今私、スペル、うてない…」
ルビー 「は?」
朱璃 「撃てないんだよ!なんで?今、スペル、唱えたのにっ!」
ルビー 「ザキにかかってないってことか?」
朱璃 「いや、ザキくんにはかかってる。多分ザキくんにスペル撃ち込んだ直後。てか、何この感覚…気持ち悪い…」
ルビー 「どうした?」
朱璃 「気持ち悪いんだよなんか!器が…
2つある?」
ルビー 「器?能力の器のことか?だがお前は能力の器を持ってないだろ」
朱璃 「そこが変なんだよ!私には命の器しかないはずなのに、器が増えてるの!」
ルビー 「(…まさか)氷柱、イメージしろ」
朱璃 「え?」
ルビー 「いつもの俺から魔力を借りてスペルを放つ感覚じゃなく、2つめの器から魔力を使ってスペルを唱えてみろ」
朱璃 「自分の器から…… !!
・・・
【真似符 破滅拳】」
ドカーン!
ルビー 「成功…ではあるが、今のは…」
朱璃 「今のってザキくんの能力…だよね?」
ルビー 「…」
ルビーは倒れているザキの体に触れる。
ルビー 「…魔力が全く感じられない。これは普段の氷柱と、同じ状態だ…」
朱璃 「…てことはこれ」
ルビー 「氷柱の増えた器とスペル、それにザキから魔力が感じられないことから自ずと答えが出てくるな」
朱璃 「嘘…」
ルビー 「”氷柱とザキの能力が入れ替わっている”」
朱璃 「!?」
ルビー 「今ザキを叩き起こせば朱璃の能力で戦闘を挑んでくることになるな」
朱璃 「私の能力は百発百中。加えて私より腕力や体力が上のザキくんに使わせたりでもしたら…」
ルビー 「それはお前もそうだ。お前の脚力は俺たちの中じゃずば抜けてる。俺の真似スペルと合わせたらとんでもないことになるぞ」
朱璃 「確かに…」
ルビー 「…とにかく喫茶店は放置だ。ザキの言った通り幻想郷中でこんなこと起こってるなら大惨事になる。」
朱璃 「そうだね。行こう」
☆☆☆
ルビー 「あと心配なのは紅魔館だな…紫霊が暴走化してたら…」
朱璃 「仮にそうでも紫霊なら気づいて消失させるはず。面倒なのはスカーレット姉妹と姉貴あたりかな。」
ルビー 「…急ごう。」