冥王と天獣が動きを止めた瞬間、気配が辺りを包み込んだ。暗雲が厚くなり、雷鳴が響く。
冥王が冷ややかな笑みを浮かべ、眼が赤く輝くと、天獣も呼応するように地上へ降りてきた。
「まさか…合体するつもりか?」透は緊張に満ちた声で叫んだ。
白川も眉をひそめ、「厄介だな。そんな力まで持っていたとはな…。」と呟くが、その顔には一切の恐れがなかった。
冥王の霧が天獣に広がり、対極の存在が一体化していく。冥王の冷たさと天獣の神さが混じり合い、異形が生まれつつあった。
「これが奴らの最終形態か…!」朱音が驚愕の声を上げる。
その姿は、人間の形をしていた冥王が、天獣の翼と光の甲冑を纏い、神と悪魔が一体となったかのようだった。腕を上げるたびに、黒い光と雷の力が一斉に放たれ、地上を焦がし尽くしていく。
「これじゃ、ますます手に負えねえな…。」百鬼が呟き、目の前の光景に息を呑んだ。
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