九曽田教授からメールが来た。「あなたの絵が出来たから、良かったら見にいらっしゃい。」(えっ、あたしモデルらしい事はやってない。)良仔はそう思ったが、ちょっと興味があったので、行ってみる事にした。
大学の事務所の女は、この間の出来事を覚えていて感じが悪い。「何か、」「九曽田教授に3時にアポを取っているんですが。」と良仔が言うと、「直接お部屋の方にどうぞ」と言われた。
コン、コン、「ハイ、どうぞ」と声がした。「こんにちわ。この間はどうも。」「あ〜軽いデッサンだけどね、ちょっと見て見るかね?」教授はデッサンを数枚並べた。「す、スゴい!あの短い間に⁉」「まあ、あんたが言った様に、顔は完璧になんて描けないから、雰囲気でね…」それにしてもスゴい。紅茶を飲んで、ケーキを食べている女のデッサンで有る。
「なかなか、美味しそうに食べるんでね。タイトルは『いい加減』で、学園祭に出品しようと思うんだが、本人の了承が要るからね。」彼女は、一も二もなく了承した。
「あのう、教授は裸体モデルを描きたかったんじゃ…」「ああ、あんたじゃ無理。」と呆気無く言われた。そして事務所の女が「先生の方からお断りになる場合が有る」と言った言葉を思い出した。
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