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 【L&ニア】


 想像はしていたが、協調性のない連中ばかりだからか、各々が別行動をとるせいでいつの間にかはぐれてしまった。皆がはぐれたというより、よそ見をしているうちに置いていかれたと言った方が正しいのかもしれない。

 個性的なLの姿など人混みに隠れていても簡単に探し出せるという謎の安心感からLは置いていかれた。手を繋いでいたニアだけが、Lの傍で大人しくとぼとぼと歩いている。

 「………………」

 「………………」

 お互い会話もなく、ニアもつまらなさそうにしている。周りの景色を見る気もなく、俯いてばかりだ。

 そんなニアに同情を寄せたLは何かニアが興味を引くものはないかと辺りを見回した。

 水飴、かき氷に、綿あめ……私が食べたいものはそこらじゅうにあるが、ニアが食べたがるだろうか。人の好みまでは推理して分かるものじゃない。直接聞いてみよう。

 「ニア、お腹は空きませんか?」

 「………………」

 返事がない。

 「食べたいものがあったら言ってください」

 「………………特にないです」

 やっと開いた言葉はそんなものだった。

 退屈で不貞腐れているのか。

 こんな時どうしたら子供の気を紛らわせることが出来るのだろうか。人の気持ちを考えるのが苦手なLはワタリを思い出し、こんな時ワタリならどう振る舞うかを考えていた。恐らく、好きなものを与えてくれるだろう。ならば、ニアの好きなものは?……おもちゃ?

 Lはニアが遊べるおもちゃを探しながら歩いていると、『ヨーヨーすくい』を見つけた。

 「ニア、ヨーヨーすくいがあります。どうでしょう?一緒に遊びませんか?」

 そう誘ってみると、ニアも珍しく顔を上げ、ヨーヨーすくいの方に目を向けた。

 「………………」

 ニアは何も言わないが、やっと興味を引くものを見つけたのかほんの少し口元が笑った。

 Lがニアを連れてヨーヨーすくいの方へ行くと、人は並んでおらず、先頭で遊ぶことが出来た。

 店主にお金を渡し、釣る紐を貰うと、ふたりして子供のようにしゃがんでヨーヨーを真剣に観察する。

 形は皆同じ。だが、柄が違う。好きな柄を選べるようだ。

 ニアの好きな物を摂ろうと思ったが、既にニアはヨーヨーをすくっており、透明のヨーヨーをゲットしていた。

 Lもさっさとすくってしまおうと目の前にあった紅いヨーヨーに紐を掛けようとしたが、手を止めた。

 ……これじゃない。

 紅いヨーヨーの隣にあったニアが釣ったものと同じ柄のヨーヨーに紐をかけた。人差し指と親指で釣り紐を持ち上げてヨーヨーを釣った。

 二人でヨーヨーを手にし、さっそくニアはヨーヨーで遊びながら歩いていた。

 Lもいつもの持ち方でヨーヨーで遊びながら歩いていると、ニアが口を開いた。

 「どうして赤いものを選ばなかったんですか?」

 Lが最初にすくおうと思っていた赤いヨーヨー。途中でニアと同じものに変えたのが気になるようだ。

 「なんででしょうね……」

 答えを出してあげたいのだが、何故自分でもあれを選んだのか分からなかった。

 深い意味は無い。とても浅い理由だった気がする。だからこそ忘れてしまった。

 記憶を遡り、当時の記憶を思い返してみる。そして、冷静に推理した結果、笑ってしまうような答えが出た。

 「お揃いのものが、欲しかったのかもしれません」

 ニアは目を見開き、やっと上げた顔でLの顔を見上げた。

 「真似っ子ですか」

 「そうです。真似っ子です」

 そう、真似てるだけ。ニアを真似てるだけ。ニアがLを真似てるように、Lもニアを真似ている。

 自分がLのオリジナルになれた事が嬉しかったのか、ニアの方からLの手を取った。

 言葉なんて交わさなくても隣に居てくれるだけでこんなにも心は楽しいと感じている。いつも孤独だったLにとって、誰かと一緒に遊ぶというのは新鮮で楽しいものだ。

 早く皆と合流しようとは思いつつ、ニアと2人きりだけの時間を特別なものにしたく、暫く2人で寄り道をした─────

デスノート[夏祭り編] -あの夏、僕らは笑っていた-

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