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《エッセイ》
貯金について。
人により、やり方は様々で有るが、自分の貯金について話したい。
私の場合、金銭において最も信用出来ないのは両親だった。
一人っ子だった私は親戚からお年玉等を貰うと、母親の「貯めといてあげる」を信じ、すべて母親に渡していた。それは母親の死後(母親は私が22才で死んだ)、母に私名義の預金が無かった為に主張出来なかった。
又、私は小学生の時に飴色のガラスで出来たブタの貯金箱にバラ銭や、祖母に貰った1000円冊等を入れていた。これは貯まったら、ガラスのブタを割らないと中身が取り出せ無かった。ある日、ガス屋か電気屋が集金に来た。母親は一万円冊を崩したくなかった。私は学校だ。母は薄いセルロイドの物差しを私のブタの貯金箱のコイン口に指し、全額出して支払った。その当時は殊勝にも私は母親の役に立てたぐらいに思ったが、母親は埋めておかない。言い分は聞かなくてもわかった。私の学費以外に費用がかかっていると言うのだ。
又、私が短大卒業後就職した会社の月給を勝手に信用金庫の定期預金にした。月10万で有る。私は直感的に(これは取られる)と思った。母親が死に、私は会社を辞め、自営業の家業を手伝った。バブル景気が弾け、父親の仕事も悪くなり、仕方が無いので私もこの定期預金全額を父親に渡した。
私は将来寝たきりになるかも知れない父親と住んでいた家を出て、また就職をし、一人暮らしをした。
世の中に介護で親の面倒を見る人のほうが多いが、私はこれを金に換算しただけだと自分に言い聞かせた。
以後貯金は前向きにしていないので、私はのたれ死にかも知れない。