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博麗神社の夜は静かに更けていきました。 究極の「蓬莱味噌」を仕込み終えた俺は、かつてないほどの充足感に包まれ、縁側で泥のように眠りこけていました。霊夢も魔理沙も、慣れない豆潰しの疲れ(と満腹感)で、奥の座敷で爆睡しています。
そこへ、音もなく忍び寄る「桃色の影」が一つ。
「……ふふ、見つけたわ。幻想郷の宝物(味噌の源泉)さん」
幽々子でした。彼女は扇子で口元を隠しながら、幸せそうに眠る俺を見下ろします。 「霊夢に預けておくと、いつかこの美味しい才能を枯らしてしまいそうだもの。……妖夢、準備はいいかしら?」
「は、はい……。しかし幽々子様、これは流石に『誘拐』では……」 背後でガタガタ震える妖夢を無視して、幽々子はそっと手をかざしました。
「さあ、行きましょう。春が一番近い、あの場所へ」
幽々子の放った死蝶の群れが俺の体をふわりと持ち上げ、境界の隙間へと消えていきます。