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少し前。
美虹が呼んだ警察と救急車が、ナゴミヤ旅館出入口前にやってきた。
警察「あの、警察です!」
美虹「あ!こっちです!!」
横に寝かせている快晴。
救急隊二人が快晴に近づき、持ってきていた担架の上に彼の細い体を乗せた。
警察「あの、今回の事件の犯人は!?」
美虹「別館の地下で気絶してます!」
警察「わかりました!今すぐ応援を呼びます!」
警察がもっと人を呼ぼうとスマホをタップした瞬間、別館とナゴミヤ旅館が急に爆発した。
美虹「キャァァァ!!」
警察「うおッ!!」
風太「うわッ!!な、なんや!?」
目の前にあるナゴミヤ旅館が急に爆発して驚いた風太、美虹、警察。
三人が驚いている間に、旅館と別館は炎に包まれた。
風太「おい!!オーナーさんまだおんねん!!地下で気絶しとんやけど!!」
警察「待ってください!!この炎では警察では太刀打ち出来ません!!」
警察は炎に包まれた別館の方へ行こうとした風太の身体に体当たりする勢いでぶつかり、彼の足を止めながら消防に連絡していた。
風太「……ああ…」
包丁で快晴を刺していたとはいえ、路郎には世話になったのは事実。「自分が気絶させた路郎が炎に焼かれた」そう思った風太は、罪悪感で胸が抉られた。
美虹は「どうして急に旅館と別館が燃えた」のかわからず、ただただ呆然としていた。
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一週間後。
美虹「やっほー!快晴君元気?」
風太「美虹先輩チワッス!!」
美虹は快晴が入院した病院に、お見舞いにやってきた。フルーツ盛り合わせの袋片手に、快晴がいる病室に入る。
すると風太が快晴に、握り潰し林檎のジュースを飲ませようとしていた。
そんな風太のジュースの飲ませ方に、気持ち悪そうな顔をする快晴。だが話せないので快晴は風太にされるがままだった。
美虹「あら風太君!来てたのね!」
風太「はい!!」
快晴「(先輩!フウちゃんに「握り潰し林檎食べさせんといて」言うてくれ頼む!!)」
快晴の思いも虚しく、風太は握り潰し林檎ジュースを彼の口の中に入れた。
快晴「おええぇッ…!」
風太「おい何吐いとるんじゃ!もしかして林檎ジュースも飲めへんのか?」
快晴「(動けるようになったらコイツ金的したる!!)」
美虹「うふふ!元気そうで良かったわ!」
風太「美虹先輩の綺麗な笑顔を見たら、俺はいっつも元気になれるわ!!」
美虹「あら?うふふwww」
快晴:ナゴミヤ旅館の発火について、なんかわかりましたか?
辛うじて動かせる両手を使って快晴はスマホのメールで聞くと、美虹はしっかりとそれに目を通していた。
美虹「発火場所は、別館もナゴミヤ旅館もオーナーさんの部屋ね」
快晴:そうですか
美虹「あと、別館には男の焼死体が二つあったわ。一つは羽渡志土君の…。もう一人はオーナーさんの」
風太「志土…ええやつやったのに…!!俺が寝とったせいで…!!」
美虹「風太君のせいじゃないわ。オーナーさんも、武道習ってる貴方に邪魔されたくなかったから、睡眠薬を皆より多めに飲ませたと思うから」
美虹に励まされるが、風太は志土を失って悲しそうな顔をしていた。
快晴:『ナゴミヤ旅館に宿泊していた女性が行方不明になる』
快晴:コレは、呪いでもなんでもありませんでしたね
美虹「そうねぇ。真相は、旅館オーナーによる女性連続殺人だったわね」
快晴:記事にしますか?
美虹「ええ。当然よ。と言うか、もう書いてるわ」
快晴:早…Σ(゚д゚;)
美虹「真顔で打ってるのに顔文字が…」
快晴:僕の表情と顔文字は別腹ッスよ
美虹「貴方の顔はお腹にあるのかしら?」
快晴:それと、フウちゃんから先輩に何か報告があるようですよ
美虹「え?そうなの?」
風太「ん?」
美虹がキョトンとした顔で風太を見て疑問を聞いていた。風太はまさか美虹から悩ましげな表情で聞いてくるとは思ってなかったので、マヌケな声を零していた。
美虹「風太君、私に何か言いたい事があるの?」
風太「へ?……あ、ああ!あ、いや…!別に大したアレちゃうねんけど…」
美虹の質問を聞いて、風太はマヌケな声で返事したあと、目線を斜め上に向けて、思い出したような声出した。
そのあと、頬を朱に染めて男らしい骨ばった人差し指で、自分の頬をかいた。
風太「あーえっと…」
美虹「ん?」
風太「そ、その…俺!美虹先輩の事、ひと目見た時からめっちゃ好きでした!!付き合うてください!!」
顔を真っ赤にした風太は美虹に頭を下げて、愛の告白をしていた。
突然の告白に驚いて両目を見開かせる美虹。風太を見て下唇を噛み、フルフルと震えている快晴。
美虹「ほ、本当に?私の事好きなの?」
風太「は、はい!!一生大事にします!!」
美虹「ふーん」
美虹は美しい顔を妖艶にさせて、悪戯に微笑んでいた。
美虹「良いわよぉ?」
風太「ほ、ホンマか!?」
快晴「(鼻息荒いキモ)」
妖艶な笑みを浮かばせたまま愛の告白を承諾する美虹。風太は「まさかこんな美女が自分の告白をOKするとは思わなかった」ので、信じられなかったが、嬉しさが勝り、顔を真っ赤にして鼻の穴を大きく膨らませていた。
快晴はそんな風太を見て、気持ち悪そうに顔を歪ませていた。
風太「ほ、ホンマか!?」
美虹「ウフフ、ええ。良いわよぉ?」
風太「よ、よっし…」
美虹「だ・け・ど…♡」
風太「へ?」
美虹は白い肌の両手で、風太の右手を取った。
風太「へ!?」
女性経験ほぼ皆無の風太は、突然の女性(美女)からのスキンシップに大きな声を出した。その時の声が裏返り、快晴は吹き出してから、痛みに顔を歪ませた。
そして、その手を美虹は、なんの躊躇いもなく自分の股間に誘導した。
風太「いや待って!!待って待って!!下触るんわまだ段階早いって!!せめてハグとキス…」
冷や汗をかき顔を真っ赤にして捲し立てる風太。
その時風太の手に感じたのは、女性にしては違和感のある大きな膨らみだった。
風太「え?」
美虹の股間にある女性らしかぬ膨らみ。寧ろ、何故か既視感のある膨らみが、風太の手から感じ、風太はキョトンとした顔をする。
美虹「風太君と同じモノがあるけどね♡」
快晴「ブフ…!ww痛ッ…!ww」
美虹の言葉を聞いて、風太は完全に顔への熱が引っ込んだ。
美虹「それで良いなら良いわよぉ♡」
風太「……」
快晴:え?え?もしかしてフウちゃんともあろう者がさっきの告白取り消すんか?
快晴:そんな不義な子に育てた覚えはないけどな
快晴がスマホでそう打ち込んでいる時に、風太は白目を剥いて吐血して、気絶した。
美虹「あらヤダ吐血したわぁ♡」
快晴:オモロかったわwww
快晴:フウちゃん傑作www
看護士「なんか病人増えとる!!」
END
ねらち
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コメント
5件
みぅだよ🤍🥀 最終話、一気に読んだよ…! まず事件の真相が「オーナーによる連続殺人」だったの、納得しつつも胸が痛んだよね。旅館と別館が炎に包まれるシーンは緊迫感あって、風太の罪悪感も伝わってきた。 でも最後の病室、めっちゃ笑った…!快晴に握り潰し林檎ジュース飲ませる風太と、それに悶える快晴の掛け合い、そして風太の告白からの美虹の「ある意味衝撃」な返し…!!白目むいて吐血して気絶する風太、傑作すぎる(笑) 重い話と笑いが絶妙なバランスで、最後まで楽しかったです!完結お疲れ様でした🌙