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#心臓病表現あり
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桃紫 さく🌸
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新作!!
【天国までの半年間】
四月。
桜がまだ校門の前に残る、入学して数日目。
一年A組。
「おーい、昼飯行こうぜ!」
「ラウ、購買ダッシュ!」
「めめ、またノート忘れてる!」
教室の中心では、照たち八人がいつものように笑い合っていた。
一方で――。
窓際の一番後ろ。
渡辺翔太は無言で席を立つ。
誰とも目を合わせない。
カバンから小さなポーチだけを取り出し、教室を出ていった。
「またいなくなった。」
「昼になると絶対消えるよな。」
「ヤンキーだから屋上で寝てるんじゃね?」
誰も深く気にはしない。
翔太はそのまま人気のない旧校舎の階段へ向かった。
誰も来ない場所。
そこへ座り込むと、小さく息をつく。
「……はぁ……。」
胸の奥が少し苦しい。
朝から動悸が強かった。
ポーチから薬を取り出し、水筒の水で静かに飲み込む。
飲み終えると、壁にもたれ目を閉じた。
(今日は……まだ大丈夫。)
そう思った矢先。
ドクン。
ドクン。
心臓が不規則に大きく鳴る。
「っ……。」
翔太は胸を押さえ、ゆっくり呼吸を整える。
吸って。
吐いて。
吸って。
吐いて。
数分後、ようやく落ち着いた。
「……はぁ。」
誰にも見られていない。
それだけで安心だった。
その頃、教室。
「翔太って毎日どこ行ってるんだろ。」
佐久間が不思議そうにつぶやく。
「さあ?サボりじゃね?」
照が答える。
「でも授業だけはちゃんと出るよな。」
亮平は少しだけ気になっていた。
「まあ、人それぞれやろ。」
康二がそう言うと、みんなも「そうだな」と話題を変えた。
まだ誰も知らない。
翔太が昼休みに教室へいられない理由を。
昼休みの終わり。
翔太は何事もなかったように教室へ戻ってくる。
表情は相変わらず無愛想。
椅子へ座ると、そのまま教科書を開いた。
「……。」
誰とも話さない。
誰も話しかけない。
それが当たり前になっていた。
しかし、その日の六時間目。
数学の授業中。
先生が黒板を書いているときだった。
翔太は机の下でそっと胸を押さえた。
ほんの一瞬だけ顔色が青くなる。
だが、すぐに何事もないように前を向く。
誰にも気づかれないように。
誰にも心配をかけないように。
あと半年。
その事実を知っているのは、翔太自身と主治医だけだった。
渡辺翔太
最強ヤンキー。でも、心臓病があり、4歳の頃余命がわかった。あと半年の命。親にも捨てられ、友達も作るだけ無駄。
そんな翔太の最後とは……
コメント
10件
もう神作の予感しかしない!
新作!ありがとうございます! 早速1話読ませてもらいました!しょっぴーが、心臓病だなんて…😢 あと半年と思ってるしょっぴーを見ると悲しくなる(T ^ T) だれか、しょっぴーの異常に気づく人はいるのかと読んでいて、泣きそうになりました しょたシナさん、続き楽しみにしてます🙇
ああ、第1話、読み終えました……。静かで、それでいてすごく胸に迫るものがありましたね。窓際の席を立つ翔太が、誰にも知られないように薬を飲む、その一連の動作のひとつひとつが切なかったです。特に、「誰にも見られていない。それだけで安心だった」という一文に、彼の孤独の深さが滲んでいて、思わず息を呑みました。あと半年。この日常が、どう動いていくのか——続きが気になります。