走って5分ほど経ち、城に着いた。門の前で、国王がお出迎えをしてくれた。
国王「よく来た!大広場で待っておれ。」
ドルバ「はい、分かりました。」
少し急足で大広場へ向かう。
城にへばりつく木犀の匂い・・・いつ嗅いでも良い匂いだ。
手口に手を掛け、ゆっくり襖を開ける。
そこには、4人の男女が正座して座っていた。
ドルバ(この人達も、集められたのか・・・ん?)
よく見ると、右端後ろにいる女性、どこかで見た事がある。
??「ドルバさん!昨日ぶりですね!」
ドルバ「あ、やはり君は!!」
昨日、城下町で会った女性だ。
ドルバ「何故、君が此処に・・・?」
??「言ったでしょう、明日分かるって。」
国王「そういう事だ。」
後ろから音もなく国王が入って来た。
ドルバ「国王!どういう事です?」
国王「実は、彼らは君の部下になるんだ。」
ドルバ「部・・・下・・・?」
頭が真っ白になる。
ドルバ「ええと、何かのご冗談で・・・?」
国王「いや?バキバキ真実だ。」
ドルバ「なぁにぃ?」
国王「私が、彼らを紹介しよう。」
「まず、右端手前、モルス・ハイパーだ。」
モルス「宜しくお願いします!」
国王「左端手前、ミレイ・バイラスだ。」
ミレイ「宜しくお願いします。」
国王「左端後ろ、ヒルク・サイモンだ。」
ヒルク「よ、宜しくお願いします!」
国王「そして、右端後ろ、グレイ・サージュだ。」
グレイ「宜しくお願いします!!」
一通り自己紹介が終わった後、頭を整理させる。
ええと、俺は隊長で、この4人は部下で、多分剣士で・・・
国王「能力を持っておるぞ。」
ドルバ「え!?なんで考えてる事分かったんですか!?」
国王「口に出とったぞ。」
ドルバ「え、、、」
4人が少し笑う。
ドルバ「え、てか、能力って・・・?」
国王「おお、説明しやんとな。」
「この4人は、とある物を食っておる。」
ドルバ「とある物?」
国王「それは、個人によって能力が変わる、【飴】じゃ。」
ドルバ「飴?」
国王「その飴は、その食った人の潜在能力を引き出す力を持っておる。」
「個人によって能力が異なるから、多種多様な飴じゃ。」
ドルバ「へぇ・・・あ、俺それ食ってないんですよね?」
国王「そうじゃな、ドルバはまだ食っておらんの。」
グレイ「え!?無能力で3カ国も滅ぼしたんですか!?」
ドルバ「え、ああ、まあ・・・」
ミレイ「凄いですね・・・。」
皆んなが驚く中、国王が口を開いた。
国王「で、これから沢山、ドルバ班は仕事をして貰う。」
「そんな中、能力は必ず必要になって行く。」
「だから、今回はこれを食べてもらう。」
ドルバに渡されたのは、色鮮やかな飴玉。
ドルバ「これを、食べれば・・・能力者・・・」
少し戸惑いながら、飴玉を口に放り込む。
飴玉にしては柔らかく、すぐに噛む事ができた。
30秒ほど噛んで、飲み込む。
その瞬間、体に違和感が覚えた。
なにか、体の奥深くから、沸々と煮えたぎる何かが・・・
国王「どうじゃ、能力分かったか?」
ドルバ「・・・・国王、ちょっと来てください。」
国王「ん?」
2人が席を外す。
国王「ドルバ、どうしたんじゃ?」
ドルバ「俺、能力◯◯だったんですけど・・・」
「みんなには黙っててもらって良いですか?」
国王「何故じゃ?」
ドルバ「俺は、無能力で動いた方が、警戒されにくいと思うんです。」
「敵の警戒力が緩い隙を狙います。今までそうしてきたんで。」
国王「・・・なるほど。分かった。うまく話を合わそう。」
ドルバ「頼みます。」
そうして、2人が大広場に戻る。
グレイ「どうでした?能力なんですか?」
ドルバ「いや・・・能力、無いんだ。」
モルス「え!?は、え!?」
国王「彼は特別なんじゃろう。悪い意味で・・・」
国王がこっちを向いてウインクをする。
助かりました・・・!
国王「取り敢えず、今日から君達は、1つの班だ。」
「協力して、国に貢献してくれ。」
全員「はい!」
そうして、ドルバ班は城を出た。
ドルバ「・・・えーと、よろしく?」
ミレイ「本当に無能力なんですか?」
ドルバ「ハウっ!?」
正直、味方に嘘を吐くのはキツイが、自分の為・・・!
ドルバ「あ、ああ。なんか、能力が無いんだ。」
ヒルク「それ、だ、大丈夫ですかね・・・」
ドルバ「まあ、俺は問題ない。強いからな。」
モルス「ま!いつか俺が抜かして見せますよ!」
ドルバ「お!なら、良い特訓方法がある。」
モルス「良い特訓方法?」
ドルバ「ああ、取り敢えず、俺について来てくれ。」
此処は、羅雷王国から205km離れた所にある、邶賀國・・・
??「最近、羅雷王国の動きが怪しい。」
王様「それは本当か!?」
おどおどした様子で王は焦る。
王様「ど、ど、どうすれば!!」
??「俺に任せて下さいよぉ。」
??は上から目線で王に物申す。
王様「し、しかし・・・」
??「いいでしょ!もう2年前の出来事なんて忘れて下さいよ!」
王様「うぅ・・・」
思い出したくなかった・・・だが、仕方がない。
国を守る為、私は手段を選ばない。
王様「・・・分かった。お主が行け。」
??「ふふっ、話が早くて助かるよ。」
??は部屋を出た。
王様「もう、これしか無いんだ・・・」
??は自室に戻り、棚を開ける。
そこには、剣神三代項目の一品、【霧毒髏】がある。
??「2年ぶりかぁ、これを使うのは・・・!」
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