テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
千歳が、帰ってきて早々叫んだ。
『お前の好きな人を振り向かせる方法がある!』
「どういうことなの」
『ワシがモテた術式、相手を指定すればその人だけ惚れさせるのに使えるんだって』
「はあ」
『だから、和束ハルに頼んできた。お前の好きな人をお前に惚れさせてくれって』
「は!?」
あごが外れるくらい驚いた俺に、千歳はさらに言った。
『緑さんも南さんも、和泉さんが望むならそうしたらって』
「嘘だろ……」
緑さんも南さんも止めてくれよ……。
千歳は俺を揺さぶった。
『なっ、だから好きな人を言え!』
「いっ、言わない!」
『言わないなら言わないで指定の方法があるって言ってたぞ!』
「ま、マジかあ……」
俺の好きな人は、目の前にいるわけで……俺に千歳が惚れてくれたら……。
人の心を操るようなのはよくない、でも一瞬だけでも惚れてくれたら、何か変わるんじゃないだろうか……。
「……あの、術かけるの、一瞬だけですぐ解除できる?」
『ずっとかけたままでいいのに』
「人の気持ちを操るのはよくない」
『でも一瞬はかけるのか?』
そこを突かれると……弱い!
「俺は……聖人君子じゃない……」
うなだれる俺に、千歳は浮き立って声をかけた。
『まあいいや、じゃあ明日夜来いって言われてるから行こうな』
「う、うん」
どうなるのかな……期待半分、心配半分だ。
#幽霊
凛道桜嵐 新
193
#日常
がくじゅつてき・あかげ
22,155
わーい
41
485
コメント
1件
うわあ、この840話、すごくドキドキしました……! 千歳さんの「好きな人を振り向かせる方法」って、まさか術式だったんですね。でも主人公が「人の気持ちを操るのはよくない」って葛藤するところ、すごくリアルで胸が痛くなりました。 特に「俺は……聖人君子じゃない……」のところ、分かってても一瞬でも千歳さんに振り向いてほしいって気持ちが滲んでて、切なかったです。 期待と不安が半分ずつっていうラスト、続きが気になります……!