テラーノベル
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「昨日の夢の続きが見れるアプリ?」
クラスでちょっとだけ流行ってた。
寝る前に起動すると、同じ夢の続きを見られるらしい。怪しいアプリだ。
なんとも起動していると、現実との区別がつかなくなるレベルらしい。
馬鹿らしい。半分ネタだと思って、入れてみた。
最初に見たのは、夕方の駅。
人が少なくて、静かな場所。
そこで、知らない人に話しかけられた。
「やっと来た」
初めて会うはずなのに、なぜか少し安心した、
暖かくて優しいその声に。
その日から、何日も同じ夢を見た。
駅で待ち合わせして、少し話して、また別れる。
夢だからか顔はぼんやりしてるのに、話しやすかった。
起きると細かい会話は忘れるけど、
「楽しかった」という気持ちだけ残る。
ある日、夢の中で聞かれた。
「現実でも会えたらいいのにね」
少し笑いながら言う。
「無理だよ」
夢だし、って思って。
その人も「やっぱし無理か」って笑った。
次の日、席替えがあった。
新しい席に座ると、隣の人が軽く会釈した。
「よろしく」
聞いたことある声だった。
気になって横を見る。
どこかで見た気がする。
でも思い出せない。
「どした?」
「…いや、なんか会ったことある気がして」
その人は少しだけ笑った。
「かもね」
それだけ言って、教科書を開いた。
その日の夜、アプリを起動した。
でも、夢に駅は出てこなかった。
そこには誰もいなかった。
次の日も、その次の日も。
もう続きは見れなかった。
放課後。
隣の人が言った。
「最近、ちゃんと寝れてる?」
「まあまあ」
なんでそんなこと聞くんだろうと思ったら、
「変な夢、見なくなった?」
って言われた。
少しドキッとした。
「なんで」
「なんとなく」
少しだけ笑う。
その瞬間、やっと気づいた。
笑い方が同じだった。
「…駅」
小さくつぶやくと、
隣の人は一瞬だけ驚いた顔をしたあと、
小さく笑った。
「思い出した?」
「もしかして」
「たぶん、その“もしかして”」
少し照れたみたいに目をそらす。
「夢の中だと、もうちょっとちゃんと話せたのにな」
心臓の音が大きくなる。
「なんで現実にいるの」
「さあ」
目の前の君はちょっと考えてから言う。
「続き、こっちでやれってことじゃない」
少しだけ笑った。
「夢だと、時間短いし。こっちなら沢山、毎日思い出作れるよ」
なんてことないみたいに言うから、僕は大人しく状況を飲み込んだ。
「まぁいいか、こっちでもよろしく」
「うん、よろしくね、螟ァ螂ス縺阪↑蜷帚劭」