テラーノベル
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18
#ロマンス
33
深夜2時。
いつも通り、コンビニでレジを打っていた。
「いらっしゃいませ〜」
ドアのベルが鳴る。
入ってきたのは――どう見ても宇宙人だった。
身長2メートル。肌は青。目が3つ。
しかもなぜかネクタイだけちゃんとしてる。
(いやいやいや)
心の中でツッコミを入れる。
だが、ここで取り乱したら負けだ。接客業として。
宇宙人は無言でレジに来た。
カゴの中には――
・おにぎり(ツナマヨ)
・プリン
・謎に雑誌「週刊プロレス」
(チョイスが人間寄りすぎる)
「袋、お分けしますか?」
つい普通に聞いてしまった。
宇宙人はゆっくりと口を開いた。
「……フクロ……イチマイ……」
声、めっちゃ低い。
「かしこまりました」
自分はプロなので平常運転だ。まぁバイトだが。
手がちょっと震えてる以外は完璧。
バーコードをピッ。
ピッ。
ピッ。
すると突然、宇宙人が言った。
「アナタ……オツリ……ゴマカサナイタイプ……」
「え…?…..いや当たり前でしょ!?!?」
思わずツッコんだ。
宇宙人はコクンとうなずく。
「ゼンカイノ星……ゼンイン……ゴマカシタ……」
「終わりじゃんか、その星…てか別の星にもコンビニあるん」
もうダメだ、普通に会話してる。
会計が終わり、袋を渡す。
「ありがとうございました〜」
宇宙人は立ち去ろうとして、ふと振り返った。
「……アナタ……イイ店員……」
「え、あ、どうも」
ちょっと嬉しい。
「スカウト……シタイ……」
「え?」
「ワレワレノ星……コンビニ……ハジメル……」
「宇宙にセブン的なやつ作るの!?」
「ナマエ……『セブンじゃないイレブン』」
「絶対揉めるやつ!!略したらジャナイレとか?」
宇宙人は満足げにうなずいた。
「アナタオモシロ…キュウジツ……ナイ……ケド……タノシイヨ…ハタラク?」
「ブラック確定じゃねぇか!!」
全力で首を横に振った。
「遠慮しときます!!」
宇宙人は少しだけ残念そうにして、去っていった。
静まり返る店内。
深くため息をつく。
(なんだったんだ今の……)
そのとき、バックヤードから店長が顔を出した。
「今の人、常連だから」
「常連なんですか!?」
「いつもプリン買ってくよ」
「そこは一貫してるんだ!?可愛いな!!」
店長は真顔で言った。
「あと来月から夜勤シフト増えるから」
「くぅぅう!!!!」
こうして俺の平穏なバイト生活は、
少しずつ宇宙規模の厄介事に侵食されていくのだった。
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