俺はセラおと「お似合いだね」って言われて育ってきた。
周りから見ても俺らは仲が良かったし、セラおが心を許したのは俺と奏斗だけで、特に俺には甘えてきてもくれたから。
ずっとずっと俺はセラおと結ばれるもんだと思っていて。中学校の卒業式、俺は告白しようと心に決めていたんだ。
なのに、
「⚪︎⚪︎中学校から転校してきました。四季凪アキラと申します。気軽に話しかけてください」
中学2年生に俺らのクラスに転校してきたアキラ。
アキラによって俺らの関係性は崩れてしまった。
アキラは凄まじかった。
ほとんど誰にも心を許さなかったセラおと仲良くなって、クラスメイトにも心を許すようになったのもアキラのおかげ、だった。
なんで余計なことするんだよ。
セラおが誰にも心を許さなかったから、俺がセラおの面倒見てたのによ。
クラスメイトが面倒見てくれるなら俺必要ないじゃないか。
セラおの家庭事情のこともあって、先生とかも安易にはそのことを指摘できなくて、俺が面倒見てたのに。
「雲雀。表情が暗いよ、、、?」
「!ごめんな。なんでもないよ!」
今日はセラおが家に来ている。と言うか毎日のことだけど。
セラおの家庭は厳しいというか、なんと言うかと言う家なんだ。
文武両道。そして、やりたくもない習い事。部活と両立してるし、塾だって通ってるらしい。
それだけじゃなくて、食事のマナーとかにも厳しいし、なんも褒めてくれない。
ほとんど家にいなくって、幼い頃捨てられそうにもなったらしい。
そんなセラおを家に置き去りにするなんてできなくって、俺は家で匿っていた。
奏斗とかもたまに来て遊んだりする。
その時間は俺がセラおを独占できた。アキラが来た後でも。
そうだった。
アキラは本格的にセラおを救い出したんだ。
学校とかにもいろいろ話して。
は?って思ったよ。
だって、セラおはそのことを話したくないって言うから俺はなんもしないでいたのに。
アキラなら良かったのか。なんでだよ。
「ひば。顔怖いよ」
「え?」
今日は奏斗と一緒に帰っている。
毎日セラおと帰っていたが、今日はアキラと帰るんだって。
「、、、セラのこと好きなん、でしょ」
「、、まぁね」
大好きだよ。一生一緒にいたいよ。
「やっぱり」
そういう奏斗の表情か悲しげだった。
「でも、セラおはアキラのことが好きだろうから」
なんでだろうなぁ、、、。
俺とセラおがお似合いだって言われてたのも数ヶ月前まで。
今はアキラとセラおがお似合いだって言われてるらしいな。
はぁ、こうなるならもっと先に告白しとけば良かったなぁ、、、、。
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