知らない間に好きになっていた

ふっかさんとのご飯会を終えたあと、家に帰ってからもずっと考えていた。

（頑張るだけ頑張ってみたら、か……）

ふっかさんの言葉が、まだ胸の奥に残っている。

（……やれるだけやってみてもいいかもしれない）

そう決心し、次の日から岩本くんに向けて、全力でアピールすることにした。

◆翌日

「岩本くん、今日もめっちゃかわいいね」

「……え？ いや、急にどうした？」

「それに岩本くんのダンスはいつもかっこいいし。惚れなおしました」

「……あ、ありがとう？」

真っ直ぐな称賛に、岩本くんは少し照れながらも、なんとも言えない顔をする。

「……目黒のダンスもキレキレだったな。俺も見ててテンション上がった」

「えっ……あ、ありがとう」

逆に褒め返され、あっさりペースを崩される。

◆次の日

「岩本くん、今日の服、めっちゃ似合ってる」

「あー、これ？ ありがとう。目黒もいい感じじゃん」

「……え、ほんと？」

「うん、黒の服、やっぱ似合うな」

「……」

（違う、そうじゃない）

褒めたら褒め返されるという、思っていたのと違う展開が続く。