コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
「おはよう、」
「ん、」
私が挨拶をしたのに、「ん、」の一言しか返さない彼は、
私の”義理”の兄である。兄っていっても、彼の方が誕生日が早いだけで、年齢は一緒だ。
それより、朝からなにあの態度!ほんとに最悪!
それも、これも全てはお母さんとお父さんのせいだ。
私たちが兄妹になったのは、今から5年前の10歳のときのこと。私は生まれてすぐに両親が離婚し、母子家庭だった。
ある日、母が突然家に知らない男性を連れてきた。そのときに「ママ、この人と結婚するの、〇〇にはお兄ちゃんができるのよ」と言われた。
いつも1人で遊んでいた私はとても嬉しかった。だから、彼らをすぐに受け入れた。そして、私の生活に華がさいた。
だが、中学に上がりすぐの頃、お兄ちゃんが家に女の子を連れてきた。さらに、その子は私の親友であった。「この子、俺の彼女なんだ。」と言われ、動揺しながらおめでとうも言えず、自分の部屋に駆けこんだ。
私は、その時なぜか声がでなく、涙が溢れた。この時気づいたのだ。
私は、お兄ちゃんのことが好きなんだ、
自分の気持ちに気づいてしまったときには、遅かった。それから、お兄ちゃんと距離を置くようになり、次第に会話をしない日々が続いた。親友とはすぐに別れたが、それが変わることは、なかった。
中学3年生になったある日、私は彼と同じ高校を受験することがわかった。それを知った両親は2人が仲良くなるようにと、2人で暮らすことを決めた。
そして、今日は、2人暮らし初日だ。実は兄への想いをまだ引きずっている私は、好きな人と同じ屋根の下で2人きりというシュチュエーションに少しドキドキしている。
「そこ邪魔、」
「あ、ごめん、、」
でも、今さらもとには戻れない。どうせお兄ちゃんにとって私は、ウザイ妹なんだ。それを演じなくてはいけないんだから、、、
「学校、時間あけてから家を出ろ、」
「当たり前でしょ!」
それからというものの何もないまま2年生になった。
きっと私たちは何もないまままた、一年間を過ごすんだ。
ある日、私の所属する美術部の顧問の先生が出張のため、部活がなくなった。
部活がないことに喜ぶ人が多い反面、私は、帰宅部で帰りが早い兄と出来るだけ会わないようにする目的で、入ったのに休みだなんて、不満でしかない。
仕方なく、いつもより早い時間に帰宅すると、兄の部屋から、別の人の声が聞こえた。耳をすませると、男の人の声がする。よかった女の子じゃなくて、、お兄ちゃんモテるからな、
そして、その声の主は、中学から仲のいい、樹くんだ。私は、一度だけ話したことがある。樹くんは、静かでクールなお兄ちゃんと対照的で女慣れしてそうなチャラさが溢れでている。彼はなぜか、私のことを「妹ちゃん」と呼ぶのだ。
話が盛り上がっているのか、私に気づいてなさそう。部屋に入っても、声が聞こえる。お兄ちゃん、笑うんだ、
いや、私が笑えなくさせたんだよね、、、
「北斗さ~、好きなヤツいねーの?」
恋バナかな?ちょっと知りたいかも、
「、、、」
「えっ、図星!?」
「いちゃわりーかよ、」
「誰?」
「言わねー、
俺、脈ないし、、」
「へぇ、モテモテな北斗にもそんな子いるんだー、」
「うるさいな//」
「ハハッ」
「、、」
「もしかして、妹ちゃんとか、?」
「、、、//」
お兄ちゃん好きな人いるんだ、違うってわかってるのに、期待しちゃっていいのかな、
「もう、帰れよ!」
「はいはい、」
「じゃーねー、北斗、、
と、妹ちゃん!」
えっ、どういうこと?バレてた?
樹side
ごめん、〇〇ちゃん。俺さ、北斗と妹ちゃんが両想いなのも、今、この話を聞いてたのも知ってたんだ。
親友の好きな人ぐらいすぐわかるよ、
俺は、親友に辛い思いをしてほしくない。
北斗、俺に感謝しろよな、笑
「いたの? いつから?」
「さ、最初から、、
今日、部活がなくて、」
「盗み聞き? 悪趣味じゃん、」
「ご、ごめん」
「あの、さ、
好きな子いるの、?」
「お前に関係ない、」
「っ、関係あるよ!!」
「は?」
しまった、口が滑った。どうしよ、
もうこの際言っちゃおうかな、恋は当たって砕けろ!って言うし。別の恋でもして、諦めよう。
「なに、どうした、」
「、、私、」
「ん、早く、」
「す、好きなの! お兄ちゃんのことが!」
「え、、」
「だから!好きn、、」
ギュ
「それほんと?」
「じゃあ両想い、ってことでいい?」
「どういうこと?」
「俺も〇〇が好き、 ガキの頃からずっと、」
そうだったんだ。それに、〇〇って呼ばれた、久しぶりだな、
「ねぇ〇〇、なんで、避けるようになったの?」
「それは、お兄ちゃんが彼女作ったから、、」
「、、嫌われたわけじゃないってこと、?
よかった、笑 あと、北斗って呼んで!」
「へっ//」
急に人が変わったみたい。違う、昔は今みたいに無邪気な笑顔で笑ってたな、私の好きな笑顔だ。
「ほ、北斗//」
「可愛い、
俺らさ、付き合うってことでいい?」
そっか、付き合うっていっても、世間から見たら兄妹だもんね。
「もしかして、周りの目気にする?」
「、、」
「俺は〇〇と2人でいたい、ダメかな?」
「私も一緒にいたい、」
信じていいのかな、
私は彼と一緒にいたい、これからもずっと。
「〇〇、俺と付き合ってください!」
「よろしくお願いします、」
ギュ
そういって私たちはそっと、優しいキスを交わした。